アベンジャーズ
これは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ソーなどマーベルコミックスのヒーローが１作に集結した“オールスター作品”の映画化。
これまで、「アイアンマン」などの映画のエンドクレジットで思わせぶりな登場をしていたニック・フューリーの“計画”が、映画として初めて描かれます。
国際平和維持組織「ＳＨＩＥＬＤ（シールド）」が保管していた四次元キューブが突如、制御不能に陥り、そこに、ソーの弟で、暗黒神に落ちたロキが姿を現しキューブを奪う。
地球の危機を知ったＳＨＩＥＬＤ長官のニック・フューリーは、世界各地からヒーローたちを招集、「アベンジャーズ」計画を発動させるが・・・
この映画、感心したのは、オールスター映画として凄くよく出来ていること。
これまでの映画が、これに繋げるために作られていたのでは、と思うほどに、よくまとまっています。
それぞれの個性を引き出すために、前半は敢えて衝突を引き起こし、更に、ＳＨＩＥＬＤとニック・フューリーにも“裏”の顔があるのを見せて、“正義”がそうそう単純なものではないことを見せているの
もいい。これは、大人の鑑賞に耐える映画であり、決して子供向けだけでは収まるものではないのです。
そして、みながひとつにまとまるには、やはり強大なライバルが必要なのですが・・・この映画で惜しい所は、今回の敵はあまり強そうに見えない事でしょうか。
世界を支配するためにやって来た、と言う割には、マンハッタンだけの局地戦に止まりますし、迫力満点で登場した巨大モンスターも、ハルクに止められてしまう体たらくでしたからね・・・
また、これはアメリカ映画にありがちなのですが、巨大メカの扱いが下手。
ＳＨＩＥＬＤの空中要塞も、海面から浮上するシーンこそ大迫力でしたが、そこから先は、単なる移動する基地に止まり、存在感が希薄。
この際、最後の戦いで巨大ロボットに変形、自由の女神をバックに、敵の巨大モンスターととっくみあいのバトルをして叩きのめす、ってなくらいの活躍を見せて欲しいものです。
あとひとつ言いたいのは映画コピーの「日本よ、これが映画だ」。
オールスター戦がＭＬＢを代表するものではないように、これもまた、映画を代表するものではありません。
この“お祭り”を見事に盛り上げたのはさすがとしか言い様がないけれど、「これが映画だ」と言い切られても困ります。
（勿論、コピーをつけたのは、映画製作者ではないのでしょうけど）
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョス・ウェドン
■出演
トニー・スターク＝アイアンマン ・・・ ロバート・ダウニーＪｒ．
スティーブ・ロジャーズ＝キャプテン・アメリカ ・・・ クリス・エヴァンス
ブルース・バナー＝ハルク ・・・ マーク・ラファロ
ソー ・・・ クリス・ヘムズワース
ナターシャ・ロマノフ＝ブラック・ウィドウ ・・・ スカーレット・ヨハンソン
クリント・バートン＝ホークアイ ・・・ ジェレミー・レナー
ニック・フューリー ・・・ サミュエル・L・ジャクソン
ロキ ・・・ トム・ヒドルストン
（その他のキャスト）
クラーク・グレッグ コビー・スマルダーズ ステラン・スカルスガルド グウィネス・パルトロウ ハリー・ディーン・スタントン
ルー・フェリグノ ポール・ベタニー スタン・リー
■コピー
日本よ、これが映画だ。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］