「ポワゾン」

　金曜日、会社上がってからレイトショーで「ポワゾン」を観て来ました。

　ウィリアム・アイリッシュの小説「暗闇のワルツ」を映画化した恋愛ミステリー。
　アントニオ・バンデラスとアンジェリーナ・ジョリィと言う、かなり「濃い」２人による、Ｒ１８指定となった性描写が話題の映画ですが、性描写はそれ程濃密ではなく（バンデラスとアンジェリーナの絡みだけで濃密と言えるかもしれませんが(^^;）けれど、先の読めないストーリー展開は、ミステリー映画として観る限りは面白いです。
　最後の最後まで気が抜けない、このストーリーはなかなかです。
　（ただ、翌日「メメント」と言う、ブッ飛んだもの観ちゃったんで、ちょっと私的には評価下がってますが・・・(^^;）

　物語の舞台は、１９世紀末、キューバ。
　裕福なコーヒー農園主、バーガスが、新聞広告で花嫁募集して結婚しようとする。
　「妻になる女は誠実で子供が産めればいい」と割り切っていたバーガスだったが、現れたジュリアと言う若い女は、以前送られて来た写真とは別の美人。
　予想外の事態に戸惑うバーガスだったが、次第にジュリアに夢中になってしまう。
　しかし、ジュリアの行動には不審な点が目立ち、やがてジュリアの姉に頼まれたと言う、探偵が彼女を洗い出す・・・そんな中で、不意にジュリアが大金を持ち出して姿を消してしまう・・・

　映画は、翌朝に死刑を控えた若い女囚、ボニーの回想を言う形式を取って進みます。
　これは、ちょっと構成凝りすぎた嫌いがありますね。
　むしろ、バーガス話すふたりのなれそめ（映画の最後で、バーガスがそれについて語ろうとする場面がある）として構成した方がよかったのではないか、とも思います。
　物語の進行自体はスピーディーでテンポよく、冒頭から謎と疑惑が提出され、それらが解決しないうちに事態が急変、謎が解かれるかと思えばドンデン返し、と、全く飽きさせる部分がありません。
　この辺りは本当に大したもの。
　ただ、ジュリア（ボニー）が、バーガスを愛するようになっていくのはよく判るけど、バーガスがジュディを何故、愛するようになったのかが、ちょっと弱かったように思いました。
　これは、バーガスを演じたバンデラスのせいで、あの外見で裕福となれば、女には不自由しないとしか思えず、そんなバーガスが、確かに美人とは言え、自分を騙し、裏切ったジュリアに執着する理由が不可解に見えてしまう。
　ここは、バーガスがジュリアの何を愛したのかを描いて欲しかったと思いました。

　（１１月３０日　マイカル松竹シネマズ本牧にて）

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