オールド・ボーイ
これは、２００３年公開されたパク・チャヌク監督の同題映画を、スパイク・リー監督がリメイクしたもの。
原作は、「漫画アクション」誌に連載された、土屋ガロンと嶺岸信明共作の同題の漫画になります。
出演は、主人公にジョシュ・ブローリン。ヒロインには、あの“オルセン姉妹”の妹であるエリザベス・オルセンが起用されました。
物語の始まりは１９９３年。
ジョーは、広告代理店に勤務の営業マン。酒癖と女癖が悪く、妻からは離婚され、会社からも「今度の仕事を取れなかったらクビ」を言い渡されている。
だが、その仕事も、女癖の悪さが出て失敗。ヤケ酒をあおって、泥酔したジョーは夜の街を彷徨い……気がつくと見知らぬ部屋に監禁されていた。
この部屋が何処なのか、また、監禁の理由も判らず、数日後には部屋のＴＶで妻が殺された事も知らされた。
そうして２０年が過ぎ、ジョーは突然、解放されて……
この映画、原作漫画の映画化ではなく、パク・チャヌク監督の映画版のハリウッド版リメイク、と言う位置付けでしょう。物語の展開は、概ねオリジナル映画版と同じで、舞台をアメリカに置き換えたのみ、と言う感じです。
物語としては、本作の方が整理され、判り易くはなっていますが、その分、薄味になってしまった感もあるのは否めません。
また、回想シーンを登場人物がその場に居合わせたように描く演出は、これは本作特有のもので、これはちょっと面白いな、と思いました。
あと、２０年に及ぶ監禁生活に時間経過のリアリティを持たせようと、ニュースフィルムを挿入するなど、あれこれ工夫をしていますが、上手く機能しなかったように思えました。
あと、これは映画そのものの問題ではないのですが、日本版のボカシ修正はヒドいもの。
セックスシーンで下半身全部にボカシかけてしまうのもそうなのですが、猟銃自殺のシーンにボカシを入れると言うのは如何なものか？
ボカシを入れれば残酷ではない、と言うのも判らないし、レイティングをＲ１５にするために修正を入れた、と言うのなら、この映画だったら、Ｒ１８にしてでも修正を省くべきだったように思えます。
ラストの展開には、東洋と西洋の「罪」に対する意識の差が出たのでしょうか？あるいは、ハリウッドの倫理感上、そうせざるを得なかったのかも知れませんが……
確かに、パク・チャヌク版よりは後味は悪くありませんが――この種の映画と言うのは、気持ちよく終わってそれでよし、と言うものではありませんから――いささか綺麗にまとめてしまったように思えました。
（２０１４年 ７月 ６日 横浜ブルク１３にて）
（作品データ）
■監督
■出演
ジョー・デュセット ・・・ ジョシュ・ブローリン
マリー・セバスチャン ・・・ エリザベス・オルセン
（その他のキャスト）
シャールト・コプリー マイケル・インペリオリ ポム・クレメンティフ ジェームズ・ランソン
サミュエル・Ｌ・ジャクソン
■コピー
おまえは誰だ？ なぜ、俺を２０年監禁した？
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