ニード・フォー・スピード
これは、エレクトロニック・アーツから発売されている同題のレースゲームを映画化したもの。
元となったゲームは、１９９４年の発売以来、現在に至るまで毎年新作が発表されている人気ゲームだそうです。
父の遺した自動車修理工場を営むトビーは、週末のストリートレースでは最速を誇っていた。
しかし、かつてのパートナーで、今やレーサーのディーノの誘いに乗ったレースで、トビーは親友を失い、ディーノから自動車盗難の罪を被せられて投獄されてしまう。
２年後、仮釈放されたトビーは、ディーノも出場するアメリカ最大のストリートレース「デレオン」に参加し、ディーノへの復讐と、事故の真相を明らかにすることを目論むが……
「ニード・フォー・スピード」は、実在のスポーツカーが登場することで人気を集めていますが、この映画版でもそれは変わらず、映画に登場するのは、欧米の実在のスーパーカーばかり。それも、フェラーリなどを遥かに超える、モンスター揃いと来ています。
その出力は各車１０００馬力級に達し、最高速も４００km/hオーバー。価格だって１億円を超えるようなシロモノです。
そんなモンスターは実際に走り回り、カーチェイスを繰り広げる……しかも、それを実車を使い、実写に拘って作り上げたのですから、これはもう、見応えがある、と言うレベルを超え、そんなことやっていいのか、と言う感じさえする映画です。
この映画は、そんなスーパーカーたちの映画で、映画の規模からしても俳優のネームバリューは低い。（事実、トビーを演じたアーロン・ポールはこれが映画初主演）
実際、映画の８割、まではいかないにしても７割はクルマの走行シーンと言うような映画で、俳優のギャラよりもクルマの方に金がかかっているのは確実でしょう。
映画としては、若手俳優を集め、カーアクションを売りにした「ワイルド・スピード」に近いものがありますが……クルマ同様に若者（特に男）を熱くする“お色気”関係は、この映画では最小限。やはり、ディズニー映画だけに、その辺りは控えめで、ラブシーンもキス止まり。
（ただ、ジュリア役のイモージェン・プーツはキュートでなかなかよかったですが）
映画最後に「映画の撮影はプロのドライバーによって行われています。決して真似しないこと」と但し書きをつけるのも含め、いかにもなお行儀のよさです。
確かに、登場するクルマは凄いもので、それを実走させて撮影したアクションは見物。
ただし、映画の大半でトビーが運転するのは、一番安そうなフォード・マスタングなのですが、それだってシェルビー・マスタングＧＴ５００。アメリカのカーアクション映画としてはヒーローカーとして文句はないでしょう。
ＣＧに頼らず、効果音も実際のエンジン音だと言う辺りも、クルマ好きには堪らないポイントでしょうし、サーキットから市街地、そしてダートと、手を変え品を変え、様々な形でカーアクションを見せてくれるのも面白く、カーアクション映画としての面白さは相当なもの。
確かに、ドラマの弱さは感じますが、クルマ好きには楽しい映画だと思います。
（２０１４年 ６月１３日 ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）
（作品データ）
■監督
スコット・ワウ
■出演
トビー ・・・ アーロン・ポール
ジュリア ・・・ イモージェン・プーツ
ディーノ ・・・ ドミニク・クーパー
（その他のキャスト）
スコット・メスカディ ラミ・マレック ラモン・ロドリゲス マイケル・キートン
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超高額スーパーカーによる禁断のストリート・レース開幕！
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