「チアーズ！」

　今日は天気もいいので朝起きて近くのプールで一泳ぎ。それから、恵比寿で昨日観られなかった「アリーテ姫」を観るつもりにしていましたが、折角、出かけるのに映画１本では勿体ないので、その前に何か渋谷で観て行こう、と物色していたら、シネマライズで「チアーズ！」をやっているのを発見。
　・・・ってな訳で観に行くことに。

　この映画、アメリカの高校のチアリーダーの活動を描いた映画なのですが、この、”チアリーディング”、女の子がポンポン持って踊るだけだと思ったら大間違い。
　チアリーダーの１／３以上は男だし、踊りの方も、体操競技に匹敵する激しくダイナミックなもの。
　組体操や、男数人がかりで女の子を中空高く放り上げるような技もあって、ひとつ間違えば大怪我をしかねない、それ自体、本格的な競技なのです。
　映画は、このチアリーディングで全米大会を舞台に、強豪高校のチームを引き継ぎ、キャプテンとなった女の子の奮闘を描きます。

　サンディエゴのランチョ・カルネ・ハイスクールのチアリーダー、”トロス”のキャプテンとなったトーランス。
　”トロス”は全米チアリーダー大会を５回制覇、昨年も優勝している強豪チームだ。
　しかし、キャプテン交代後、大問題に直面することになる。
　それは、チームの振り付けが、ロスアンゼルスの有色人種のチーム、”クローバーズ”の踊りをコピーしたものだ、と言うのだ。
　マイノリティな彼らは選手権への出場費用がなく、昨年までは問題にならなかったが、今年は違う。
　ホームに乗り込んで来た彼らによって、”トロス”は大恥をかかされ、全く新しい振り付けで大会に挑むこととなる・・・

　最初っから最後まで、女の子だらけの映画ですが、これが不思議なくらいエッチに感じさせる部分がない。
　勿論、その種の描写もあるのですが、ほとんどがギャクとして描かれていますし、お約束の恋愛部分も、健康的なもの。
　これはかなり真面目なスポーツものです。

　主演のトーランスは勿論、主役らしく明るい美人なのですが、印象的だったのは、新メンバーのミッシー。
　しなやかな身体つき、抜群の運動能力、大きなたれ目で黒髪のエキゾチックな美貌、なんだか、天野善孝が描く美女のような感じです。
　彼女には、その運動能力（体操選手希望、と言う設定）を活かして、是非、ソロで派手な演技を見せてほしかったのですが・・・クライマックスの演技ではその辺りが活かされず、ちょっと残念。

　展開としてはありきたりで、新キャプテンが、チームを作り、そして、最初は負け（トロスは昨年度優勝チームとしてのシード権により全国大会に出場する）、それからチームが一丸となって努力し、決勝に進出する。
　それを恋愛を絡めて描くのですから、この種の映画としては、定石も定石、なんの捻りもない、ド真ん中、真っ向勝負の映画と言っていいでしょう。
　勿論、それはそれで構わない。
　キャプテンのトーランスの成長、新メンバー、ミッシーとの友情、そしてライバルチームとの衝突から、お互いを認めあうまで、見所は十分、久々に熱くなる映画でした。
　嬉しいのは、ライバルチームを、悪く描かないこと。
　最初っから最後まで、誇り高く、気高いキャプテン、そして、クライマックスの決勝で、「やるじゃない」と感嘆の目でトロスの演技を見るのもよかったし、最後も爽やかでした。
　結局、トロスは勝てないのですが、それでも納得の出来る終わり方。
　エンディングで、トロスとクローバーズのメンバーが一緒に踊るシーンも、笑顔で見られるものでした。

　画面にはかわいい女の子がいっぱい、ダイナミックなチアリーディングも堪能出来、しかも、観て、熱くなる。
　いやいや、これは、大変楽しめて、かつ痛快な映画でした。

　（８月１４日　渋谷・シネマライズにて）

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