「沈黙のテロリスト」

　今日もまた例によって休日出勤。
　でも、まぁ、今日は比較的早めにケリが付き、まだ明るいうち仕事上がって、またまた例の如くマイカルつきみ野へ。
　で、何を観ようかな、と思ったのですが、先行レイトの「Ａ．Ｉ」は、さすがに大人気。
　どうも混んでいそうなので、今日から公開の「沈黙のテロリスト」を選びました。

　これは、スティーブン・セガールの最新作。
　「沈黙の戦艦」以降、セガールの映画は、原題に関係なく「沈黙の〜」と言う邦題になってしまうのが恒例となりました。この映画も原題は「ＴＩＣＫＥＲ」だったりします。(^^;
　もっとも、この映画、主役となるのは、トム・サイズモア演じる麻薬捜査官で、セガールは、爆弾魔に同僚を殺された麻薬捜査官に協力する爆弾処理班のチーフを演じています。
　その爆弾魔には、デニス・ホッパーを起用するなど、この映画、キャストだけは妙に豪華なのですが・・・これは完全に駄目映画。クズと呼んでも差し支えないでしょう。(-_-;)
　映画の作りはＢ級もいい所。国産のビデオムービーでも、もっとマシなものはいくらでもあるような感じですが、それが全国公開されてしまうのは・・・やっぱり、キャストの力かなぁ。(^^;

　とにかく、観終わった後に、異様な脱力感が残る映画で、しかも、劇場出たら、「Ａ．Ｉ」の先行レイトの退場時間と重なって、駐車場は大混雑。
　どうにも動けないので、仕方なく、車内でコンピューター起動してこれを書いていたりします。(^^;

　ストーリーは紹介しません。
　とにかく、「なんでそうなる？」「これはないだろ、普通」と言う、首を傾げるエピソードの連続なんです、この映画。
　爆発、銃撃、カーチェイス、格闘と、アクション映画の要素を盛り込みながら、この滅茶苦茶な展開には呆れるしかありません。
　冒頭のトム・サイズモア演じる麻薬捜査官が同僚を失うシーンでも、捜査令状もなしにいきなり銃を抜いて踏み込んでいくわ、中にいた容疑者グループのうちの女ひとりの身柄を確保した後、銃を向けて来る他の容疑者に対し、普通なら、
　「警察だ！銃を捨てろ」
　となる所が、
　「女を殺すぞ、銃を捨てろ」
　と、警官とは思えない行動をを取るわと、もう滅茶苦茶。
　しかも、これは特別おかしなシーンを抜き出した訳ではなく、始めっから、最後まで、全部、この調子なのです。
　他にも、シーンの繋がりはおかしいわ、時間の流れは変だわ（夕方の４時の２時間後が日中になり、昼間のシーンから次のカットで夜になったりする）、カットの繋げ方がどうにもおかしいわ、と、例を挙げればキリがありません。
　とにかく、この映画、なんでこんなになっちゃったのか、全然、見当もつきません。
　金もそれなりにかかっていそうだし、役者も力のある俳優揃えている訳だし・・・まさか、狙ってやっていると言う事はないと思うのですが。

　映画を観ている最中、これに似たようなものを見た事があるな、と思い当たったのは「夢」。
　でたらめ、滅茶苦茶、不条理・・・この映画の持っている奇妙な浮遊感は正に夢でしか見られないもの。
　それをスクリーンで観ることが出来た、と言うのは、確かに希有な体験かも知れないけれど・・・あのなぁ、「夢」って金取って見せるもんじゃないだろ、俺の金と時間返せ！

　（６月２３日　ワーナーマイカルシネマズつきみ野にて）

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