「デンジャラス・ビューティー」

　例によって土曜日、休日出勤した後で、映画館。
　本日、封切りとなった「ハムナプトラ２」でもよかったのですが、体調不良でハラハラ・ドキドキのアクションものも辛いなぁ、と思ったので、それよりは軽そうなこの映画を選びました。
　（そうまでして映画を観ることはないんじゃないか、と言う意見は却下(^^;）
　これは、「スピード」で一躍注目されるようになったものの、それ以来、パッとしなかったサンドラ・ブロックの最新作。
　アメリカではヒット作だったそうですが、なるほど、これは面白い。
　サンドラ・ブロック、久々にハマリ役に出会った感じで、彼女の魅力全開。
　これはもう、サンドラ・ブロック、ひとりの為の映画って感じです。

　サンドラ・ブロックが演じるのはＦＢＩの捜査官。
　ＦＢＩは、連続爆破魔“シチズン”の犯行予告メッセージを分析、次のターゲットがミス・アメリカ会場であると断定。
　現場の警備と捜査のために、潜入捜査官を出場者のひとりとして潜り込ませることになる。そのため白羽の矢が立ったのが、胸なし化粧気なし色気なしのグレイシー・ハート捜査官。
　「ミスコンなんて頭が空っぽの女が出るバカ女の品評会」と、コンテストを馬鹿にしていたグレイシーだが、凄腕の美容コンサルタント、ビクターの手によって同僚も目を疑う程の美女に大変身する。

　この映画、見所は、サンドラ・ブロックのがさつな男女ぶり。
　レストランでビールをラッパ呑みし、笑う時にはガハハと言うバンカラ笑いで、ついでにブヒブヒ鼻を鳴らす。
　化粧っ気はゼロ、髪はボサボサ、ドカ靴に男モノのジャケット。
　捜査官としても男勝りで、格闘技をやらせても男にひけを取らない。
　まぁ、でもサンドラ・ブロックの魅力ってのは、ここなんだよね。
　（当たり役だった「スピード」だって、男勝りの姉御肌のキャラクターでしたし(^^;）
　こんな役を演じ、スッピンをスクリーンに大写しにするのは、やはり、サンドラ・ブロックならでは、と言う所。

　こんなサンドラが演じる、グレーシー捜査官が、目も醒めるような美女に変身するのはやはり見物です。
　メイクと髪、そして衣装でここまで変わるのか！と言いたくなる程に変わりぶりは大したもの。

　映画の方は、結構、コメディチックな感じで、笑える所も多く、そんなに深刻なドラマはありません。
　ＦＢＩの捜査官が主役なのだけど、「オイオイ、それでＦＢＩが勤まるんかいな」ってツッコミたくなる程に、お笑い（お間抜け）な部分満載。
　ま、でも、これはそう言う映画ではないのだから、それもよし。犯人も、推理もへったくれもなく判ってしまいますが、それも別に構わない。

　映画が描くのは、男社会のＦＢＩに生きて来たグレイシーが、ミスコンに出場する女の子のたちと過ごす事で感じる違和感。
　最初は周りの女の子を馬鹿にしていたグレイシーだけど、それでも、女の子たちの夢と希望を知るにつれ、次第にそれに共感して行く。
　そして、それにつれ、グレイシーの素直さが周りに認められていく。
　終盤、捜査打ち切りとなってＦＢＩのスタッフが引き上げた後、メイクの仕方も判らずグレイシーが途方に暮れていると周りの女の子がよってたかってメイクしてくれる、その光景には胸が熱くなったし、それによってグレイシーが例え孤立無援でもこの女の子たちを守る、と決意するのが自然に判る、その展開は上手いと思いました。

　そんな訳で、笑いあり、スリルあり、綺麗な女の子は画面満載、それでもって最後にはホロリとさせる所あり、と最初っから最後まで見所いっぱい。
　なかなか楽しめた１本でした。

　（６月９日　ワーナーマイカルつきみ野にて）

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