プレイヤー
これは、「アーティスト」でアカデミー主演男優賞に輝いたジャン・デュジャルダン主演の、オムニバス形式のお色気コメディ。
正直なところ、「アーティスト」のアカデミー賞受賞がなければ、日本で劇場公開されることなどまずない、と言える内容の映画で・・・フランスならではの艶話集、と言ったところ。
フレッドとグレッグの２人は、大の親友。
２人とも妻を持つ身でありながら、週末となれば連んで夜の街に繰り出してはガールハントに勤しんでいた。
しかし、一夜の恋と割り切るタイプのフレッドに対し、ベッドを共にした女性に毎度思い入れしてしまうグレッグは、関係を長引かせてしまい、妻に勘付かれて、夫婦仲は険悪になっていた。
それでも、グレッグは、また今週もフレッドと共に夜の街へ遊びに出掛けるのだが・・・
これは、９つの短編からなるオムニバス形式の映画。
そのうち、Ｎｏ．１のエピソードとＮｏ．９のエピソードが続きもので、その間に７つの、それぞれ別のエピソードを挟んだものになっています。
ジャン・デュジャルダンは、そのうち５つのエピソードに出演し、Ｎｏ．９では監督もし、さらに映画の製作も務めていますが・・・「アーティスト」の、紳士然とした大スターから、ガラリと役柄を変え、本能剥き出しで、いささか情けなくもある、フランス流の“遊び人”を、嬉々として演じています。元々、コメディ畑出身なだけに、こうした役柄の方が得意なようですね。
内容は、これが全て「浮気」をテーマにしたもの。
ナイトクラブでの女漁り、出張先での「旅の恥はかき捨て」と言う夜遊び、年下の愛人とのギャップに振り回される中年男・・・と、よくありそうなエピソードを並べたその内容は、男性なら、幾つかは身に覚えのあるのではないでしょうか？
「不倫は文化」と言ったのは石田純一ですが、この映画は、正に「浮気」を文化にしようとする勢い。さすが、フランス人だなぁ、と感心します。
しかし、「浮気」には代償がつきもの。
そのツケを払わされる事となったグレッグと、その親友のフレッドの決断した事は・・・
この結末を演出したのは、ジャン・デュジャルダン本人なのですが、これにはびっくりするやら呆れるやら・・・
（月日 ヒューマントラストシネマ渋谷にて）
（作品データ）
■監督
ジャン・デュジャルダン／ミシェル・アザナヴィシウス／ジル・ルルーシュ／フレッド・カヴァイエ／エマニュエル・ベルコ
アレックス・クルテス／エリック・ラティゴ
■出演
フレッド ・・・ ジャン・デュジャルダン
グレッグ ・・・ ジル・ルルーシュ
（その他のキャスト）
ギヨーム・カネ サンドリーヌ・キベルラン アレクサンドラ・ラミー マチルダ・メイ
ジェラルディン・ナカシュ イザベル・ナンティ マニュ・パイェット クララ・ポンソ
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