バトルシップ
宇宙物理学者のスティーブン・ホーキンス博士は、宇宙へ向けてメッセージを送ることに反対しているそうです。
それは、船出前のコロンブスに知らせを送るようなものになりかねない、と。
恒星間を渡るほどの文明を持つ異星人が来訪した際、彼らが新大陸を発見したスペイン人のような真似をしないとは限らないからです。
この映画は、そんな懸念を元に、「ハンコック」のピーター・バーグ監督が作った娯楽大作です。
２００６年。地球型の惑星を持つ恒星系に向けメッセージが発信された。
それから６年、２０１２年度の環太平洋海軍合同演習がハワイ沖で始まった。
その時、太陽系外より正体不明の物体が地球を目指して進んでいた。その発進元は、６年前に信号を発信した恒星系と推定され、政府は大混乱。物体は５つに別れ、地球に接近。そのうちひとつは人工衛星に接触して大破し、上海市街に墜落して大惨事を引き起こす。
残った４つはハワイ沖に着水。
演習を指揮する米海軍のシェーン提督は日本の護衛艦１隻を含む３隻を偵察に向かわせるが・・・
タイトルのバトルシップ（戦艦）とは、既に退役した時代遅れのシロモノ。
それを、現代のハワイで、エイリアンと戦わせる、と言うのが、この映画のポイントで、予告編にも描かれたエイリアンの宇宙船と一騎打ちをする戦艦「ミズーリ」のビジュアルは確かにインパクトがありました。
あとは、それをお膳立てする物語に、如何に説得力を持たせるのかが注目でしたが・・・なんだ、この男もマイケル・ベイの同類か・・・
とにかく、インパクトの大きい映像を大迫力で見せるの優先、後はノリと勢いでどうにかする、と言うパターン。
また、この映画、対象年齢がかなり低い印象。
監督自身、「１２歳の息子が喜ぶような映画を目指した」とか言ってたけれど、これは正直、中学生向けの内容だなぁ、と。
正に、真珠湾で「ミズーリ」見た子供が、「これ動かないかなぁ！」と言ってる感覚、それで作られているんです。
そのため、ラブシーンもかなり控えめ。何せ、１２歳の息子に見せる映画ですからね・・・
そんな映画ですから、リアリティのある設定、深いドラマなど期待しても仕方ありません。
これはもう、アクションコメディだと思って見るしかないでしょう。
ただ、この物語、映画で描かれた先が大変なことになるでしょう。
あのエイリアン、彼らの先発隊で、要は、調査がメイン。つまり、「探検隊」で、大した武器も持っていなかった。
でも、その「探検隊」が音信不通になったのですから、その次は、しっかり武装した「軍隊」が来ます。
南米先住民がコロンブスを殺していたとしても、スペイン人の侵略を止められたとは思えない。正に、そう言うことが、この「先」に起こるんだよなぁ・・・
（２０１２年 ４月１５日 横浜ブルク１３にて）
（作品データ）
■監督
■出演
アレックス・ホッパー ・・・ テイラー・キッチュ
サマンサ ・・・ ブルックリン・デッカー
ナガタ ・・・ 浅野忠信
（その他のキャスト）
アレクサンダー・スカルスガルド リアーナ ハーミッシュ・リンクレイター リーアム・ニーソン
ピーター・マクニコル ジョン・ツイ ジェス・プレモンズ グレゴリー・D・ガドソン
■コピー
戦いは、海から始まる――。
■Ｌｉｎｋ
http://battleship-movie.jp/
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