ハンコック
HANCOCK
不死身の肉体とスーパーパワーを持ちながら、昼から飲んだくれて市民から白い目で見られているハンコック。
彼はロサンゼルス市が抱える厄介者だった。スーパーパワーを引っさげて犯罪取締に手を貸してくれるのはいいが、やり方が大ざっぱで乱暴すぎるため、ハンコックが手を下した後には瓦礫と廃車の山が出来、犯罪被害の何倍もの負担をかけてしまう。
だがそんな彼が、ひとりの男と出会ったことで生まれ変わる。ハンコックに命を助けられた広告マンのエンブリーが、ハンコックのイメチェン計画を提案してきたのだ。
ハンコックは市民に愛される「スーパーヒーロー」になれるのか・・・？
これは、今やハリウッド屈指のビッグスター、ウィル・スミス主演のスーパーヒーローもの。
この種の映画としては珍しく、ストーリーは、アメコミ原作ではなく映画オリジナルになっています。
物語はスーパーヒーローものをひっくり返したような構成。普通のスーパーヒーローが自分の正体を隠して活躍するのに対して、ハンコックはまったく自分の顔を隠さない。
普通のスーパーヒーローは、正体も品行方正な好人物として描かれますが、ハンコックは不潔で下品で乱暴な厄介者。
酔いつぶれて街角のベンチで居眠りしたり、通行人の女性の尻を触ったり、刑務所に入るなんて話を、今までなかった事です。
正体を隠さない代わり、この「ハンコック」は、主人公を記憶喪失とし、その正体（宇宙人だとか、ミュータントだとか、改造人間だとか・・・）を明かしません。
これは面白いアイデアだと思いました。
映画は中盤までが厄介者のハンコックが引き起こすトラブルをコミカルに描く喜劇仕立て。ハンコックがぎこちないながらもイメージチェンジに成功してきてから、その正体に繋がる謎をを少しずつ明かして行きます。
・・・なるほど、それでシャーリーズ・セロンをこの役に持って来たのか。
これは、思ってもみなかった展開でした。
この映画、確かにウィル・スミスじゃないと成立しないでしょうねぇ・・・
飲んだくれ、無精ひげだらけになってもしっかり存在するスターのオーラ、これが「確かに、こいつは違う」感を出しています。
一方、シャーリーズ・セロンは、今回、ちょっと印象が違うなぁ・・・すっぴんのようなナチュラルメイクも、しっかりメイクした表情も、今までにないイメージで、「あれ？」と思ってしまいました。
この「ハンコック」、主人公の正体に繋がる謎は最後まで謎のまま残されるし、主人公に匹敵するパワーを持つ敵役の登場もない。この映画はまだ、より大きな物語の序章、あるいは、今後続くシリーズのための予告編といった感じ。
アメリカでは大ヒットしているそうなので、シリーズ化もあり得ると思いますが・・・ウィル・スミスのギャラの関係もあって、ＴＶシリーズはちょっと考えられません。（あ、アニメにするテはありますが）
今後、敵役に豪華スターをキャストして続けていけば面白いものになるのではないか、と思います。
（９月４日 ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）
（作品データ）
■監督
ピーター・バーグ
■出演
ハンコック ・・・ ウィル・スミス
（その他のキャスト）
シャーリーズ・セロン ジェイソン・ベイトマン ジェイ・ヘッド
エディ・マーサン ナンシー・グレイス ジョニー・ガレッキ
■コピー
スーパーヒーロー、始めるぜ。
■Ｌｉｎｋ
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