| ワイルドセブン ＷＩＬＤ ＳＥＶＥＮ |
７ |
これは１９７０年代、少年漫画雑誌「少年キング」に連載された望月三起也のマンガを、「海猿」シリーズの羽住英一郎が実写映画化したもの。
犯罪者を集めて編成した警視庁特殊部隊の活躍を描く、アクション映画です。
警視庁が極秘に設立した超法規的組織「ワイルド７」。
極刑と引き換えに集められ、バイクと強力な武器を与えられた飛葉大陸を始めとする７人の元犯罪者には、凶悪犯を逮捕ではなく「退治」する権限が与えられる――警視庁「最凶」の切り札が彼らだった。
ある日、凶悪犯を追い詰めた飛葉の目前で、犯人が何者かによって射殺されてしまう・・・
「ワイルド７」は、人気漫画が原作、と言っても、若い人には馴染みがない作品かも知れません。
これは７０年代、現実の警察内の汚職や弱腰対応に、警察は頼りにならない、と思っていた市民の期待に応えるような存在でした。
（アメリカでは、同時代に「ダーティー・ハリー」が登場しています）
そんな、時代外れの主人公たちを、上手くアレンジして登場させていたのではないでしょうか？
さすがに、現在では、犯罪者とは言え、警察官が裁判抜きで射殺していい訳がないので、その存在自体が隠蔽されている、などの設定はまずまずの説得力がありました。
ビジュアルの方もちょっとクラシカルなダブルブレストの黒の革ジャンにスカーフ、バイクも飛葉の乗るＣＢ１１００改他、カワサキＷ６５０やヤマハＳＲ改（これらは原作漫画に出て来たトライアンフやノートン風なんですな）など、原作の雰囲気を残している辺りもいい。
特に、飛葉がプライベートで乗るＣＢ改は、カラーリングも合わせＣＢ７５０ｆｏｒｅ風で、思わず欲しくなってしまいました。
アクションの方も、完全封鎖した国道や、建設中の高速道路を使って、日本映画ではなかなかない、派手なアクションを見せてくれるのはなかなか。
終盤の殴り込みシーンで、建物内をバイクが走り回るシーンなどを含め、バイクアクションとしては見応えがあります。
惜しいと思ったのは、個性的な７人の面子の特色を活かし切れていなかった事で、特に詐欺師のソックスは、この展開では見せ場なし。
ただ、これは続編映画か、ＴＶシリーズをやる気満々のようなので、そちらに期待、と言う所でしょうか？
殴り込みでも、メンバーは殺されずに拘束されるだけ、しかもラストシーンではちゃんと「７人」揃っていますしね。
なかなか面白い設定を使って来ましたし、オチもなかなか痛快。
まぁ、犯罪者揃いのメンバーの割にはみんな行儀が妙によいのが物足りなくもあるけれど、今回のコレは「顔見せ」でしょうか？
この勢いが続けられるなら、続編にも期待したい所です。
（２０１１年１２月３０日 ＴＯＨＯシネマズ上大岡にて）
（作品データ）
■監督
羽住英一郎
■出演
飛葉大陸 ・・・ 瑛太
セカイ ・・・ 椎名桔平
パイロウ ・・・ 丸山隆平
ソックス ・・・ 阿部力
オヤブン ・・・ 宇梶剛士
ヘボピー ・・・ 平山祐介
Ｂ・Ｂ・Ｑ ・・・ 松本実
（その他のキャスト）
要潤 本仮屋ユイカ 蓉崇 河村舞子 仲間リサ
松本さゆき ゆきの 津村和幸 中原丈雄 吉田鋼太郎
深田恭子 中井貴一
■コピー
悪を撃ち抜け 愛を守り抜け
■Ｌｉｎｋ
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