バーレスク
これは、シェールとクリスティーナ・アギレラと言うグラミー賞に輝く新旧歌姫を主役とした音楽映画。
２人の歌を聴かせるだけでなく、セクシーな踊りもたっぷりのきらびやかで豪華な映画です。
アイオワの片田舎のダイナーでウェイトレスをしていたアリ。
歌手を夢見てロサンゼルスへとやって来て、求人広告を頼りに街を歩き回っていたアリは、偶然入った古いショークラブ「バーレスク」の、ダンサーたちの魅せるショーと、オーナーであり看板歌手のテスの歌声に心を奪われた。アリは、押し掛けウェイトレスとして「バーレスク」で働き始めた。
だが、ステージには上げて貰えず、ウェイトレスをしながら歌と踊りを必死で覚える毎日。
ある日、店のオーディションに飛び入りで参加したアリは、テスに認められて漸くステージに立てるようになったのだが・・・
田舎町出身の娘が、その秘めた実力を認められてスターに・・・と言う、典型的アメリカンドリームのストーリー。
往年の名画「四十二番街」や「キャバレー」を思い出す人もいるかも知れません。
現代の映画としては、物語は余りに単純、ストレートで、ショービジネスの暗部や、ドロドロした部分をすっぱり切り捨ててしまっている辺りに物足りなさを覚えるかもしれませんが…
この映画、そうしたバックステージの描写を思い切って省き、ひたすら華やかなステージに集中します。
シェールとクリスティーナ・アギレラと言う全米屈指の歌姫を起用しているのです。その歌と踊りを見せなくて、何がエンタテイメントか、と言う所なのでしょう。
なにしろ、歌の実力は折り紙付きなのです。
映画「ＢＥＣＫ」では、主人公の歌声のスゴさを表現するのに、敢えて歌声を省略する、と言う手を使いましたが、この映画ではそんな必要はまるでなし。
圧巻は、アリがその歌声を認めさせる事となったステージ。
先輩ダンサーの嫌がらせでＢＧＭを切られ、音無しになったステージで、失策に気づいて慌てて下ろそうとした幕を、己の歌声ひとつで止めさせた場面。
そう、何せクリスティーナ・アギレラの歌ですから、アカペラのワンフレーズだけで「これは違う」と言うのは素人でも判る。
この歌声で、店のトップになるのも当然の成り行きでしょう。
物語は、一応一波乱はあるのだけど、これらも綺麗に片付き、ハッピーエンド。
ご都合主義かもしれないけれど、歌と踊りを楽しめればそれでいい。これはそう言う映画です。
（１２月３０日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
スティーヴン・アンティン
■出演
テス ・・・ シェール
アリ ・・・ クリスティーナ・アギレラ
（その他のキャスト）
エリック・デイン カム・ジガンデイ ジュリアン・ハフ アラン・カミング
ピーター・ギャラガー クリステン・ベル スタンリー・トゥッチ
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