踊る
大捜査線
ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ ３
ヤツらを解放せよ！
これは、１９９７年にテレビ放送が始まり、翌年には劇場版が公開されて大ヒットした「踊る大捜査線」シリーズの最新作。
今回の映画は２００３年の劇場第２弾「踊る大捜査線 ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ２ レインボーブリッジを封鎖せよ！」以来７年ぶりとなる映画版第３作 。
その間にも「交渉人 真下正義」や「容疑者 室井慎次」といったスピンオフムービーがありましたが、織田裕二演じる青島刑事の登場は久しぶり。 ファン待望の新作で、公開４日で１００万人を動員したとか言う人気となっています。
で、金曜日、ＷＭＣ海老名のレイトで観ました。
・・・まぁ、平日のＷＭＣ海老名なら、どんな人気映画もガラガラですからね。
物語の舞台は・・・遂に、“あの”湾岸署から、本物の湾岸署へ移ります。
最新セキュリティシステムを導入した新湾岸署の開署式を3日後に控え、係長に昇進した青島の指揮のもと、署員たちは引越し作業に負われていた。
そんな時、ほぼ同時に２つの不可解な事件が管内で発生、さらに青島らの拳銃３丁が、引っ越しのドサクサの最中に何者かに盗まれてしまう。
それは、新湾岸署引っ越し早々の大事件の始まりだった・・・
お馴染みの湾岸署のメンツが繰り広げるドラマは確かに面白いのですが・・・この３作目、なんとなくまとまりが悪い。
そもそも「踊る〜」のドラマとは、警察vs犯罪者と言うよりも、所轄vs本庁と言う構図にありました。
でも、新たなキャラクターを投入したせいで、その構図がブレ、また、匿名性を高める犯罪者はその姿をぼやかせ、物語の中心が何処にあうか、判らない状態になってしまいました。
実は、予告編からの先入観もあって、今回の事件の黒幕を、てっきり小栗旬演じる管理補佐官だと思っていたもので（それならば、上記の状況がくっきり謎解きされる形で決着がつくのか、と期待していました）・・・何だか、物足りない終わり方だなぁ、と感じてしまったのです。
青島刑事の熱い台詞も今回は空回り気味、お得意のギャグも滑ってしまい、映画としてのまとまりは寂しい限り。
この映画を新たな「踊る大捜査線」シリーズの再出発と見る人も多いかも知れませんが、映画の作りは「お別れのカーテンコール」に近いです。カーテンコールでは出演者一堂が顔を揃えるもので、この映画は、正にそのセオリー通り、シリーズの過去作品に出演した主要な登場人物が残さず出演（いかりや長介も、その名台詞で自己主張）、犯人として逮捕された人物も引っ張り出しています。
要するに、日本最高の観客を動員した傑作シリーズの最後を飾る打ち上げ花火で、そのまとまりなど、二の次だったのでしょう。
映画のサブタイトル「ヤツらを解放せよ！」とある通り、この映画の主要キャストやスタッフを、“湾岸署”から解放する時期が来ているのだと思います。
・・・もっとも、これだけ客が入っちゃうと、営業的には難しいのかもしれませんが・・・
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
本広克行
■出演
青島俊作 ・・・ 織田裕二
恩田すみれ ・・・ 深津絵里
室井慎次 ・・・ 柳葉敏郎
真下正義 ・・・ ユースケ・サンタマリア
鳥飼誠一 ・・・ 小栗旬
（その他のキャスト）
伊藤淳史 内田有紀 小泉孝太郎 北村総一朗 小野武彦 斉藤暁
佐戸井けん太 小林すすむ 甲本雅裕 遠山俊也 小木茂光 寺島進
松重豊 高杉亘 東根作寿英 川野直輝 滝藤賢一 大鷹明良 時東ぁみ
津嘉山正種 辻萬長 辻つとむ 山崎直樹 上杉祥三 宮藤官九郎
近藤正臣 北山雅康 布川敏和 古田新太 伊集院光 稲垣吾郎
岡村隆史 小泉今日子
■コピー
湾岸署、封鎖されちゃいました。
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