| ＮＩＮＥ ナイン |
これは、イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニが１９６３年に製作した「８ １／２ 」を、ブロードウェイでミュージカル化した「ＮＩＮＥ」の再映画化。
監督は、「シカゴ」のロブ・マーシャル。
ちなみに、舞台劇になった時、タイトルが「１／２」増えて「９」になったのは、歌と踊りの要素が増えたからだとか。
ブロードウェイでミュージカル化された映画が、再び映画化されると言う複雑な経緯を辿った映画ですが、こうした例はこれが初めてではありません。
最近では、「プロデューサーズ」がそうですし、「ヘアスプレー」もそう。
その意味では、この映画も、ハリウッド大作ミュージカルの伝統的路線に従って、豪華キャストで映画化されているのです。
映画の舞台は、ローマ。
注目の新作映画「ＩＴＡＬＩＡ」の撮影開始まで１０日。セットも衣装も準備が進んでいるのに、監督のグイド・コメンティーニは構想に行き詰まり、脚本は１ページ目すら書き上がっていなかった。
製作発表の記者会見会場から逃げ出したグイドは、海辺のホテルに潜み、愛人を呼び寄せて、つかの間の快楽にふけろうとするが・・・
これ、キャストが異様に豪華です。
主演は、名優、ダニエル・デイ・ルイス。
女優陣の豪華さは凄まじいばかり。
ペネロペ・クルスに、マリオン・コティヤール、ニコール・キッドマンと、主演級がズラリ。（しかも、全員アカデミー賞女優）
脇をケイト・ハドソン、「ブラック・アンド・ピーズ」のボーカル、ファーギーが固めます。
更に、ベテラン格として、ジュディ・デンチに、極め付きの大物、ソフィア・ローレン。
この女優陣が、セクシーな衣装で歌って、踊る。
見応え十分と言うか、全員が出て来る冒頭など、何処を見たらいいのか、と思うくらい。これは贅沢極まりない映画です。
ダンスシーンの圧巻は、このオープニングナンバーですが、あまりにセクシーなペネロペ・クルスのソロや、ケイト・ハドソンがファッションショー風のセットで歌い踊るイタリア映画賛歌「シネマ・イタリアーノ」、歌手が本業のファーギーが、砂を敷き詰めた舞台で底力を見せる「ビー・イタリアン」など見応え十分。
ニコール・キッドマンは、歌と踊りの場面は少なかったのですが、その高貴さと貫禄はさすがなんだけど・・・そのニコールの貫禄を吹き飛ばす、ソフィア・ローレンは、正に「女王」の貫禄。（イメージはイタリアのマンマなんだろうけど、迫力あり過ぎ）
豪華な女優の競演、そして、主人公の過去と内面に踏み込んで行くストーリー・・・それを歌と踊りで纏め上げる、これは圧巻のミージカル。
うん、これはいいぞ。
（３月２８日 横浜ブルク１３にて）
（作品データ）
■監督
ロブ・マーシャル
■出演
グイド（映画監督） ・・・ ダニエル・デイ=ルイス
ルイザ（妻） ・・・ マリオン・コティヤール
カルラ（愛人） ・・・ ペネロペ・クルス
リリー（デザイナー） ・・・ ジュディ・デンチ
サラギーナ（娼婦） ・・・ ファーギー
ステファニー（記者） ・・・ ケイト・ハドソン
クラウディア（主演女優） ・・・ ニコール・キッドマン
ママ ・・・ ソフィア・ローレン
（その他のキャスト）
アンドレア・ディ・ステファノ
■コピー
世界は、男と女と愛でできている。
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