ＡＶについて
その概要と歴史について
【概説】
ＡＶ（エーブイ）は、アダルトビデオ（Adult Video）の略称であり、性的欲求を満足させるために製作された映像作品である。
ＡＶは、ビデオソフトとして市場に供給され、主に家庭用プレイヤーにより個人宅で鑑賞される。
その媒体（メディア）は、かつてはVHSビデオテープが中心であったが、最近はほとんどDVDで製作され、現在、日本の合法セルビデオ（販売用ビデオ）のほとんど全てがDVDである。
最近では、映像データをネット配信することも多くなっている。
また、その反面で、高画質を求め、ハイビジョンで制作されたブルーレイディスクの物も存在する。
主として性行為（性交やフェラチオなど）を見せる映像作品であるが、ピンク映画（成人映画）や、ポルノ映画とは制作手法が異なる別のジャンルとされる。
これらの映画は、映画館と言う公的な場所で鑑賞されるものであり、性的な感情を刺激されても、自慰行為までは憚られるのに対し、ＡＶは、ビデオデッキを用いてプライベートな場所で鑑賞するのが中心であり、“視聴して自慰をするためのソフト”という傾向が強い。
その特質上、映画・テレビドラマなどに見られるようなストーリー性は強く求められず、性的興味をそそることに力が注がれている作品が殆どであると言っても過言ではない。
こういった商品の特質上、毎月次々と新しい作品がリリース（現在では、およそ月に１２００本以上）され、１年あたりの作品量は膨大な数になる。
ＡＶは、作品の内容的に、ビデオデッキの個人所有・占有化を進める事になり、ＡVの登場がビデオデッキの普及率に貢献したともといわれている。
（同様にインターネットの急速な普及も、アダルトソフトの利用目的が大きな牽引力となっているとされる）
同様に、家電業界を二分したVHSとベータの争い、いわゆるビデオ戦争の行方も決定づけている。
AVメーカーの大多数は小規模であり、両規格をリリースする体力がなかったため、１９８０年代前半から個人所有ビデオデッキにおいて、VHSが市場をリードしていたという事情と、機材が安価に調達できる環境が整っていた（反面、ベータは高性能機・プロ用にシフトしていた）ことから、AVのほとんどをVHSのみで供給した。
結果、AVを見たいユーザーはVHSへ流れ、元々優位だったVHSがさらに優位に立ち、ビデオ戦争はＶＨＳの勝利で終結した。
【内容】
ＡＶは、「視聴して自慰をするためのソフト」という傾向が強い商品であり、この特質上、映画・テレビドラマなどに見られるようなストーリー性は求められず、性的興味をそそることに力が注がれている作品が殆どであると言っても過言ではない。
もっとも、日本のアダルトビデオ作品の多くは、一般のドラマほどではないものの、シチュエーションやストーリー設定、出演者の衣装などの、演出全般にこだわるものが見受けられる。
例えば女子校生なら、どちらかと言えば女子学生制服を着たコスプレという“見た目”に重点を置き、主に男性視聴者の自らの妄想を手助けする要素が強い。
演出や設定、テーマ、企画の“切り口”はさまざまであるが、ほとんどの場合において特定のパターンの性行為（フェラチオシーンなど）を行うなど、共通点が見られる。
これは、後述するように、短期間で制作され、大量に生産されるものである為、そのフォーマットが出来上がっている為と考えられている。
また、作品タイトルや作品パッケージにおいて、実際には性交していないのに「本番（実際に性交している、の意）」と銘打ったり、実際には膣内射精していないのに膣内射精に見せかけ「真正中出し」と表示されているケースが多々見られる。
もっとも、アダルトビデオは単なる性交記録映像ではなく、演出を施した演劇作品であるため、「品質偽装」としては問題視されないのが現状である。
【ＡＶのジャンル】
ＡＶを分類するジャンルはさまざまだが、まず、容姿の優れたAV女優のタレント性を売り物にする「単体女優物」と、AV女優のネームバリューにこだわらず企画内容を売りにした「企画物」に大きく分けられる。
この分類は極めて明確で、女優の出演料やパブリシティ、メーカーの制作体制などに差異が認められる。
■単体女優物次いで、ＡＶのジャンルを主な内容ごとに示す。
単体女優物は、一般的に容姿の優れた、或いは人気のある女優を全面に打ち出している作品である。
女優名を大きく出し、作品内容よりも女優そのものを大きくアピールする。AV女優一人が出演しているため単体女優物と呼ばれる。
基本的にはひとりの女優が登場する物なのだが、２名以上の女優で共演したり、オムニバス形式で出演することもある。
単体女優物は、セル・レンタルを問わず、各メーカーとも資金を投入し力を入れているジャンルである。
■企画物
企画物は女優のネームバリューにこだわらず、特定の企画内容を売りにした作品である。
そのため女優の名前が出ないこともある。パロディもの、大人数もの、熟女もの、素人もの、職業もの、ロリータもの、ＳＭもの、レイプもの等、あるジャンルに特化し、それらを好む視聴者をターゲットにしている。
このジャンルの境界にははっきりとした線はなく、例えば「人妻ナンパ」「素人接吻」「女子校生レイプ中出し」といったように複数のジャンルを組み合わせた商品も多い。
２０００年辺りから、元々は企画物の女優なのに単体女優並みの人気が出てしまうという例が見られるようになった。
こういった女優をキカタン（企画単体の略）と呼ぶ。
こうして、企画に凝らずともビデオが売れるキカタン女優が増え、２０００年代初頭はキカタン女優がブームとなった。
もっとも、ある意味で、本来の意味での「企画物」と、少々意味合いが異なってきた部分もある。（キカタン女優出演作は、事実上、単体女優物であることが多い）■ノーマルもの
「こんなカワイイ娘が裸になってセックスするの？」というもの。ＡＶの基本である。
田所裕美子の「ミス本番・裕美子１９歳」以来変わらない、ＡＶの定番である。
可愛さをアピールするイメージシーンがあり、場合によっては、女優の個性を引き出す為のインタビューなども行われる。
裸になってセックスをするシーンがあることはどのタイトルも変わらない。
■ストーリーもの
映画やＴＶドラマ同様、物語を重視するもの。
ＡＶの場合、製作費・製作期間が限定されているのと、ＡＶ女優の演技力の問題（いわゆる“芝居”が出来るＡＶ女優は少数派である）から、なかなか難しいジャンルである。
■ロリータもの
日本は勿論、海外でも少女ポルノは厳しく規制されている。その代用として、外見の幼く見える成人女性に少女を演じさせるもの。
日本のＡＶの場合、上記のノーマルものも、こちらにかなり近い。
■職業もの
制服女性とのセックスを描くもの。一種のコスプレである。
日本のＡＶは、このコスプレが大好きで、上記のロリータものも、学生ものと言い換えれば、このジャンルに入ってしまう。
女子校生ものの他、看護婦、女教師、秘書などが人気。
■熟女もの
主に３０歳以上の女性を主役とするもの。対象は人妻である事もかなり多い。
■パロディもの
ＴＶ番組やドラマ、映画などのパロディもの。これまた、ある意味、コスプレである。
■大人数もの
ＡＶにおける複数プレイ（３Ｐ、女性１人に男性２人）は珍しくないが、その極端なもの。
最近ではＳＯＤの「５００人ＳＥＸ！」と言う大作がある。ちなみに、この撮影の日、ほぼ全ての企画女優の予定が埋まったと言う。
■素人もの
企画ならではのジャンルである。街頭でナンパした、あるいは、出演に応募してきたとする素人女性を出演させるもの。
もっとも、企画女優と言う「プロ」が演じているのが殆どである。
■初体験もの
初めての性体験を作品にしたもので、処女喪失ものと童貞喪失ものに分かれる。
かつては、処女喪失ものはシリーズ化される程であったが、成人女性における処女数の減少と、童貞の増加から、最近では童貞喪失ものの方が目立つ。
■野外露出もの
山林、海浜など人目につかない大自然の中での性行為（野外プレイ）を取り扱ったものと、人目がある場所での性行為（露出プレイ）を取り扱ったものの2種類に大別される。
勿論、公共の場で裸になったり性行為に及ぶのは、れっきとした犯罪行為であり、監督や出演者が逮捕されたり、会社が指導を受けたりする事もある。
■ニューハーフもの
女優がニューハーフである作品。また、他ジャンルと組み合わさった作品も数多く発表されている。
■同性愛もの
複数の女性間の性行為（レズビアン）を扱ったもの。
また、複数の男性間の性行為、男性一人の自慰行為を撮ったものが、ゲイビデオとして、製作されている。
ゲイビデオは、異性愛者向けのAVに比べて市場規模が小さいため、大きな企画モノは不可能と言って良い。
■ＳＭもの
厳密にSM行為に区分けされるものから、女優単体ものなどアダルトビデオのメインストリームの作品に緊縛などSM要素を含むものまで存在する。
外国では、鞭打ちなどのハードプレイものも多いが、日本のＡＶでは緊縛や羞恥ものが多くを占める。浣腸や、アナルセックスなども多い。
■レイプもの
女性をレイプするもの。海外では許されないジャンルのひとつ。女性に無理を強要する、と言う点で上記のＳＭものに含まれる場合もある。
また、痴漢ものもこのジャンルの派生と言える。
描写によっては、女性に怪我をさせる事もあり、実際に刑事事件になった例もある。女優にとってトラウマとなりかねないジャンルである。
■暴力もの
女性を殴打するなど、暴力をふるうもの。一種のＳＭかフェチのジャンルになる。
この行きつく先には「殺人」（スナッフフィルム）がある。（勿論、違法だが、その存在はウワサされている）非合法になりかねない危険なジャンルである。
■獣姦
動物を相手に性交をするもの。
ＡＶの場合は大型犬を相手にするものが殆どだが、かつて貝満ひとみはワニ（カイマンとはワニの一種の名）とのカラミを売りにした。
■フェチもの
フェチビデオは、フェティシズムを追求した映像作品のことで、正に性癖の展覧会ともいえる。
特殊な嗜好故に相手がいない等、さまざまな理由で手軽にできない性行為の代理体験が基本である。
内容によっては、性行為が全く行われていない作品でも成立するのがこのジャンルである。
（作品中に性行為があろうがなかろうが、愛好家は見ながら抜く）
具体的な内容としては以下のようなものがある。
・服装倒錯（コスプレの１ジャンルだが、男性が女装したり、女性が男装したりする）
・服装固執（特定の服装にこだわる。パンストや、スクール水着など）
・部位固執（乳房、尻、脚など女性の特定部位にこだわる。）
・排泄物(脱糞・放尿)や分泌物を口に入れたり顔や身体に掛けたり塗りつけたりする行為（いわゆる「スカトロ」）
・泥んこやペンキを塗る（ウェット&メッシー）
・ぶっかけ（精液を顔や体にかける。ウェット＆メッシーの１ジャンルと考えられる）
・食べ物を顔や身体に掛けたり塗りつけたりそこへ放り込んだりする行為
・縛ったり、吊り下げたりする拘束行為（ボンデージ）
・叩く（スパンキング、鞭打ち）など加虐行為
・医療行為
・チラリズム
・覗き
・その他。
■アダルトアニメ
実写による撮影ではなく、アニメーションを用いたアダルトビデオについてはここでは論じない。
【制作の状況】
ＡＶ１本の撮影日数は１〜３日程度が最も多く、費用は作品の規模によって数十万から数百万円と一般の映画と比べると格段に安い。
また、単体女優物の場合、その大半が女優の出演料である。
そんな状況のため、製作メーカーはあらかじめフォーマットを決め、その中で女優を替えて撮影する、と言うパターンが多くなる。
そのフォーマットは、製作メーカー各社独自の方針・嗜好により差異があるが、選択される設定やテーマには限りがあり、人気の設定は他社と被ってしまい、似たり寄ったりの内容になってしまう事も少なくない。
【出演者】
ＡＶに出演する俳優は、ＴＶや映画に出演する俳優とは異なる。
人前でセックスをするのが前提であり、かなり特殊なスキルを要求される世界である。
■ＡＶ女優について
ＡＶ女優には、女優の顔と名前で魅力をアピールする単体女優と、女優の魅力ではなく作品の内容（企画）で売るタイプの作品（企画もの）に出演する企画女優との２種類がある。
（２０００年頃から企画女優の中にも単体女優並みの人気を持つ例が見られる様になった。これをキカタン（企画単体）と呼ぶ）
ほとんどの女優はAV事務所（AVプロダクション）に所属しており、出演料を折半する事でマネージメントされる立場にある。
ＡＶ女優は、AVメーカー（制作会社）から出演依頼を受ける事で初めて仕事（撮影）となる。
そのため、新人AV女優は仕事を得られる様に事務所のマネージャーと共にメーカー回りをしてからようやく仕事が得られる。このメーカー回りの事を業界用語では「面接回り」と言うが、一般的に言えば「オーディション」である。
近年のAV女優は、過去と比較すると容姿の平均レベルが比較にならない程上昇している。
ＡＶ黎明期（２０００年以前）まではタレントに匹敵する容姿なら内容もソフトで許され、性交も擬似の場合が多く、イメージビデオに演出を加えた程度の内容の作品でも充分なセールスを上げていた。
しかし、最近では一般タレントに匹敵するルックスを持ったAV女優はざらになり、一般のアイドルを凌ぐ容姿のAV女優も数多くなってしまった。
それに伴い、現在では一線級のAV女優でも、性交を求められるのは勿論、以前より過激な内容の作品（様々な変態的プレイを取り上げた作品など）に出演する事を求められる様になってしまった。
そうした状況より、AV黎明期には実際に性交は行っていない「擬似性交」が多かったが、最近ではほとんどのAVでコンドームを付けて性交（本番）を行う様になっている。
AV女優と似た存在として「ポルノ女優」というものがあるが、日本でポルノ女優という場合は映画館で公開される成人映画に出演する者を指し、特に１９７０年代から１９８０年代、第１次ＡＶバブル以前に隆盛を見せた「日活ロマンポルノ」の出演者を指す。
現在、日本のＡＶソフト供給の大半はＤＶＤによる。
ＤＶＤの一般化による作品の長時間化（ビデオ時代は一般的に1本４５〜６０分、たまに９０分の作品あり→ＤＶＤでは1本９０分〜２時間、長いと３〜４時間）も相まって、AV女優を取り巻く環境は年々過酷になっている。
その分、プロ意識の高い女性が多くなっており、特に第一線で活躍する女優は、意識も高く、キャリアも積んだ“職業ＡＶ女優”が主流となっている。過去のアルバイト感覚では通用しない。
性風俗産業としても、もっとも厳しいジャンルのひとつである。
・デビューから引退まで
AV女優は、街頭でスカウトされる場合と、AV事務所が行うAV女優の募集に自ら応募する場合が半々と言われる。
トップクラスになれば出演報酬が高いため、安易に応募する女性も少なくないが、近年では、ＡＶ女優のレベルは、今までにない程高まっており、ＡＶ志望の女性のうち、７〜８人にひとり程度しか採用されない、と言う。
しかも、高収入を得られる単体女優ともなると、その選考基準は非常に厳しい。
ＡＶ女優として採用されたうち、単体女優は５％程度に留まり、大半は企画女優として芸名すら与えられない。
しかも、現実には応募した女性が単体女優となることはまずなく、単体女優は、スカウトマンが目を付け、口説き落としたえり抜きの女優が殆どであると言う。
芸能界からアイドルや若手芸能タレントとして失敗した女性が流れ着き、AV女優となる場合もある。
この場合、件の女優の出演作品には「芸能人デビュー」などと銘打たれる。一方、AV業界から芸能界への転向は甚だ困難である（後述）。
AV女優としての寿命は、かつては数ヶ月、人気女優であっても、続いて１年と言う消耗品扱いであった。
それ以上となると若手に押されて飽きられるか、「家族や友人にばれた」などの理由、あるいは、ストリップダンサーや風俗業などへの転職により、引退するケースがほとんどであった。
だが、現在では、社会的認知度、作品の大量生産と多様化により、大抵の女優が数年、人気女優であれば１０年近くの活動を行っている例は珍しくなくなっている。
ただし、一部の人気女優を除けば、デビューからある程度経つと、メーカーとの専属契約を結ぶことは難しくなり、インディーズ系や、企画作品への出演を強いられる。これにより、様々な変態的プレイを主眼に据えたものなど、作品内容は、デビュー当初よりも過激な内容になる。この種の作品への出演の決意が決まらず、何度も出演を躊躇しているうちに出演依頼が来なくなり、事実上の引退に追い込まれる者も少なくない。
若さと美貌を売りにする業種だけに、一種の「賞味期限」があるが、しかし、中には３０代以降デビューして人気を集める女優も例外的に存在する（いわゆる熟女系女優）。
また、最近ではＡＶデビューの年齢が上昇しており、大手メーカーの単体女優はほとんどが２０歳以上と言う。（公称１８〜１９歳と言っても年齢詐称している例が多い）
近年、ＡＶ女優の活動期間の長期化により、単体女優は、作品を撮り溜め、時間をかけてプロモーションを行い、満を持してデビューする。
そこで、「家族や友人にばれた」などの理由で、女優が「辞めたい」となった場合、２０歳以上であれば契約を盾に発売強行出来るが、未成年者の場合、そうはいかない。未成年者の場合、保護者の異議申し立てにより、契約の取り消しが出来（そもそも、保護者承諾抜きに未成年者と契約は出来ない）、発売は中止、それまでの投資が水の泡となってしまう。（例：藍色しあん）
そうしたリスク回避のため、大手メーカーは未成年の女優とは契約を結ばない傾向にあると言う。
２〜３年以上長続きした人気の単体女優の作品数は、主演作品で５０本程度。共演や脇役出演を含めると１００本近くになる例もあるが、ほとんどの場合は毎月１本、多くて月２本ペースで撮影されるので、そうそう多くの作品に出演出来る訳でもない。
詳細は後述するが、単体女優でも一部人気女優を除けば、手取りは１本、１００万円に満たずで、そう考えると、風俗業としてそう稼げる職種でもない。（風俗嬢で、月に１００万稼ぐ例は決して少なくない）
引退後はストリップ、ソープランド、ファッションヘルスなどの性風俗産業へと転じて行く者も少なくないが、主婦やＯＬなど、普通の生活に戻ってしまう事も多い。
・一般芸能界との関連
ＡＶ女優は、映画や、一般のテレビ局が制作するドラマ番組などに出演依頼が来る事もあるが、そのほとんどは「裸体を見せる必要性」から、サスペンスものにおける裸の死体役や入浴シーンのエキストラ役、その他、時代劇での脱ぎ担当の脇役の遊女の役などとなっている。（→映画への出演例）
これは、Ｖシネマにも共通の傾向だが、こうした、「裸」だけを期待される扱いに納得出来ず、「ＳＭもレイプもＯＫだが、Vシネマの出演だけはＮＧ」と言うAV女優も多い。
しかし、だからこそ一般芸能人女優が嫌がる役をこなす点で、業界にとっては貴重な存在である。
AV女優から芸能人へと転身し、広く知られる芸能人として成功したのは飯島愛しか例がない。
その他の例を上げると・・・
・雨宮時空子（墨田ユキ）・高樹マリア・及川奈央・蒼井そら・小松美幸・小林ひとみ・葉山レイコ・朝岡実嶺 ・・・ 一般映画・ＴＶドラマに出演。
・北原多香子・宝月ひかる・吉沢明歩・春咲あずみ・恋小夜・柚木ティナ・穂花・立花里子・松嶋れいな ・・・ グラビアアイドルとして活躍。
・現在、夏目ナナ、長澤つぐみ、小澤マリアなどのタレント転身がアナウンスされているが、飯島愛に次ぐ存在と言える者はまだ現れていない。
・風俗産業との関連
収入面だけで割り切って考えるなら、AVで得た知名度を活かす手段としては、AV出演後に、ソープランドなど性風俗業に転職するのが一番である。
どの世界でもそうだが、ソープランドやストリップなどの性風俗業でも、トップクラスになるとしたら、その為の努力は並大抵のものでは済まされない。
ところが、性風俗業界ではＡＶ女優と言うのはある種のステータスであり、それ自体がアピールポイントになると共に、ＡＶ女優が在籍している、と言うのは、店にとっても大きな宣伝材料であり、膨大な指名が殺到して、風俗の生え抜きトップすらも凌ぐケタ違いの収入を得る事もある。
多くの職種では、「元ＡＶ女優」と言う肩書きはハンデにしかならないが、その肩書きを活かす為の再就職先としては悪い選択ではないのであろう。
■ＡＶ女優の分類
「単体女優」
AVメーカー（制作会社）の「面接」に合格し、所属事務所がＡＶメーカーと専属契約を結び、契約メーカーの作品にしか出演しない女優を単体女優と呼ぶ。
かつては、デビュー３本契約が殆どで、その３本目で引退する単体女優が少なくなかったが、現在では、「１年・１２本」と言う例が増えている。
通常、取り引き上の売値では２〜３００万円／本と言われ、そのうち、１／３〜１／２が女優の取り分となる。（あとは事務所がマネジメント料として引く）
人気女優の場合、売値は５００万円を越える。
（これまでの最高額は、夕樹舞子デビュー時の、２社独占・１２本で３億円だが、これには専属契約金が含まれているようだ）
継続契約の場合、女優の取り分は増えるが、それでも１本あたりのギャラが１００万円を越えるのは、人気と実績のある女優だけに限られるようだ。
例外的にセールス本数にそった歩合制（ロイヤリティー制度）も存在すると言われるが、メーカー側にそこまで面倒を強制する契約を結べる単体女優は蒼井そら以外に確認されていない。
「企画女優」
ＡＶメーカーとの専属契約がなく、作品ごとに出演を決める女優を企画女優と言う。
企画女優は、名前でアピールする事が出来ず、場合によっては作品に名前すら出ない。ユーザーにアピールするのは、作品の企画（内容）である事から、このように呼ばれる。
実際に、知名度の高い単体女優（少数）に比べて、膨大な人数が企画女優としてＡＶ事務所に登録している。
その中には、副業としての出演者も多くいる（ＯＬ・主婦・看護婦・ファッションヘルスやソープランドの風俗嬢など。最近では教師や公務員など、“お堅い”仕事の女性も少なくないそうだ）。
企画女優は出演料が非常に安い。相場で１本１０万円と言われていたが、現在は５万円も頻繁にあり、３万円と言うケースすらある。
ここから事務所にマネジメント料を引かれるので、手取りは微々たるものになることがある。
反面、セールス数を問われる単体女優と違って、実績が問われる事はなく（企画モノビデオが売れないのは女優のせいではなく、企画の問題）引退の時期がない上、一般誌などで宣伝されないのでAV出演を周囲に知られる可能性が低く、その気があれば仕事を続けられると言われている。（ただし、出演を続けられる保証はない）
逆に、AV女優だけでは食べていけないので、副業を続けながらチャンスを待つAV女優も多い。
近年では企画女優が注目される様になったが、その背景としては、AV界にインディーズメーカーのブームが起きた事が挙げられる。つまり、インディーズメーカーの手がける企画作品は、ソフト販売が中心であり、その制作本数も少なく、出演しても周囲にバレる危険が低い。
そのため、インディーズ作品には若くて容姿にも恵まれながら周囲にバレるのを恐れる女優が数多く出演する事になり、容姿では単体女優にも劣らない企画女優が多数生まれる事になったと見られる。
企画女優の中でも単体女優並みに人気が出て、オファーが殺到し多数の作品に（全く無制限で）出演する場合がある。
この様な女優をキカタン（企画単体女優の略）と呼ぶ。
「企画」のルックスはピンキリだが、「キカタン」と「単体」ならルックスに差はない事が殆どである。
キカタン女優のギャラは、一般には企画と単体の中間の金額と言われる。
（ただし、海外向けの無修正作品ではセールス本数も多いことからギャラも高額で、単体女優のギャラをも凌ぐことがある）
しかし、単体の場合、契約により制作会社ごとの出演作を月２本以内と制限されるので、最も稼げるのはこのキカタンだと言われている。
出演本数が多かった例を上げると、
・朝河蘭：１年１０ヶ月で５１６本（月２３．５本）
・桃井望：１年６ヶ月で１６０本（月 ８．８本）
・長瀬愛：３年で１２０本（月 ３本）
・笠木忍：６年で２００本（月２．７本）など。
これら４名に共通するのは、２００１年からの第２次ＡＶブーム全盛期に活躍した点である。この４名の活躍によってキカタンと言う新たなジャンルが誕生した。
（それにしても朝河蘭の事例は異常である。堀口奈津実が月に１８本撮影した事があると言うが、彼女はその後、過労で倒れている）
このブームが去った後の現在では、
・乃亜 ：３年で３００本（月８．３本）
・立花里子 ：４年で１７０本（月３．５本）
・紅音ほたる：４年で１３０本（月２．７本）
あたりが、相場となるであろう。
■ＡＶ男優について
ＡＶを見ていると、男優はどこかで見たような気がする事が多い。
これは、女優の数に較べ、男優の数が圧倒的に少ないからである。
ＡＶ男優を職業としている男性は、大凡５０人いるかいないか、とされている。
その理由のひとつは低賃金である。
企画女優が５〜１０万円、単体女優であれば１００万円、とさえ言われるのに、男優はおよそ３万円が平均的、５万を越える例は数少なく、カリスマ男優とされる加藤鷹でさえ、６〜７万円しか貰ってなかった、と言われる。
また、もうひとつが要求されるスキルである。それを以下に示す。
１．人前で裸になれる
２．自由自在に勃起をコントロール出来る。また、自在のタイミングで射精出来る。
３．１日数回の射精を連日続けられる。
特に、２．の項が難しく、これが出来なければ、２度と現場から声はかからない。
特異なスキルを要求される上に低賃金。素質に恵まれ、尚かつ、覚悟も決めた人間でないと出来ない職業である。
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