少年メリケンサック
これは、人気脚本家・宮藤官九郎の監督第２作。
宮藤監督の、もうひとつの顔であるミュージシャンとしてのキャリアを活かした、パンクバンドをテーマに描くオリジナルストーリーです。
大手レコードレーベルの新人発掘部のお気楽契約社員のかんなは、契約切れ寸前で、パンクバンド「少年メリケンサック」のライヴ映像を動画サイトで発見。
社長も契約を即決、かんなの契約期間も延長された。更に、会社のサイトにアップした動画が話題となり、一気に注目を集めた「少年メリケンサック」はあれよあれと言う間に全国ツアーまで決定してしまう。
ところが、かんなが契約を取るためにメンバーの一人を訪ねてみると・・・
これ、無茶苦茶面白いです。
予測不能に突っ走るストーリーに、監督は思わず吹き出してしまうような小ネタもちりばめ、まったく退屈させる事がありません。
それだけでも面白いのに、この映画は、キャストが途轍もなく豪華。
その筆頭が、大人気となった「篤姫」により、今や国民的女優になった宮崎あおい。
そんな彼女に、ドタバタコメディをやらせるのです。それも、下ネタあり、汚れあり、表情も、綺麗なばかりではなく、百面相レベルを要求される役柄です。
ほんとに、「ここまで演らせるのか！？」と言う感じなのですが、この天才女優は、本職のコメディエンヌをも凌ぐ芝居を見せ、この要求に難なく応えてしまうのです。宮崎あおいの役者としての器の大きさには感心するばかりです。
もうひとり、佐藤浩市が、ここまで演るのか！？というのもあるのですが・・・この人もただ今、絶好調。もう、何でも来い、と言う感じになっていますね。
ちょっと気になるのは、全編、ハイテンションに突っ走る展開が、一本調子に過ぎる感じで、もうちょっと緩急あった方がよかったかも、と思いますが・・・何しろ、“パンク”ですからね。これはこれでありかもしれません。
とにかく、これは第一級のエンターテイメント。
これは面白いです。
（２月２１日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督・脚本
宮藤官九郎
■出演
栗田かんな ・・・ 宮崎あおい
（少年メリケンサック）
アキオ ・・・ 佐藤浩市
ハルオ ・・・ 木村祐一
ジミー ・・・ 田口トモロヲ
ヤング ・・・ 三宅弘城
（その他のキャスト）
勝地涼 峯田和伸 ピエール瀧 佐藤智仁 波岡一喜 石田法嗣
広岡由里子 池津祥子 児玉絹世 水崎綾女 細川徹 我孫子真哉
チン中村 村井守 星野源 田中馨 伊藤大地 浜野謙太 田辺誠一
哀川翔 烏丸せつこ 犬塚弘 中村敦夫 遠藤ミチロウ 仲野茂
日影晃 佐藤一博 平間至 箭内道彦 ユースケ・サンタマリア
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好きです！パンク！嘘です！
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