青い鳥
これは、重松清の同題の連作短編集を映画化したもの。
中学校を舞台に、いじめや教育のあり方を通して、人として大切な事を問いかけるヒューマンドラマです。
３学期の始まり。
クラスのひとりがいじめを苦に自殺未遂をして転校していった２年１組に、担任代行として臨時教師の村内が赴任して来た。
いじめ問題については、担任教師が心労の為に倒れてしまったものの、学校としては、生徒に反省文を書かせ、既に「終わった事」にしようとしていた。
だが、村内は、「忘れるなんて、卑怯だ」と言い、自殺未遂を図った野口と言う生徒の机を教室に戻し、あたかも彼がそこにいるように挨拶をするのだった。
生徒達は動揺し、それは他の教師や父兄にまで広がっていく・・・
この映画、とても静かな映画です。吃音症の村内は言葉少なく、多くを語りません。
息詰まるような沈黙が重い、そんな映画になっています。
この映画が描くのはとても重いものです。
それは「気付かない（或いは気付こうとしない）罪」。
これは、多くの人が経験がある事だと思います。
周りの皆がそうだから、と、気付かない、あるいは気付かないふりをする・・・黙って見ていれば、同罪だと言うのに。
そして、それを「諭す」のではなく、「気付かせる」展開も上手い。
人に何かを伝え、教えるのは難しい。
教師に出来る事は「教える」のではなく「気付く」まで側にいてやる事、と言う映画の中の台詞通り、この映画は、観客に、忘れかけている大切な何かを気付かせようとしているかのようです。
（１２月７日 １０９シネマズクランベリーモールにて）
（作品データ）
■監督
中西建二
■出演
村内先生 ・・・ 阿部寛
島崎先生 ・・・ 伊藤歩
（生徒たち）
本郷奏太 太賀 山崎和也 鈴木達也 大谷尚輝 三浦萌
丸藤雄也 水嶋奈津希 宮崎悠里 水嶋瑞希 伊藤大翔
荒井萌 青木柊太 道辰洸太 堀田実那 沼沢千遥 河神将平
小幡彩花 尾林優樹 森桜子 高田里穂 田中大河 小泉拓哉
篠原愛実 吉田佑 永易亜季子 仲原聖子 高橋和希 内田早香
（その他のキャスト）
重松収 井上肇 岸博之
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