幸せの１ページ
ＮＩＭ’Ｓ
ＩＳＬＡＮＤ
生物学者の父と共に南太平洋の孤島で暮らす１１歳の女の子、ニム。彼女が大好きなのが、島の自然と動物たち、それと冒険小説「アレックス・ローバー」シリーズ。
そんなアレックス・ローバーを生んだ作者のアレキサンドラは、重度の外出恐怖症で引きこもりの生活を続けていた。
ある日、調査の為に海に出たまま戻らない父のことが心配になったニムは、メールでアレックスに助けを求めるが・・・
これは、予想していたハートウォーミングな内容とは違う映画でした。かなり、コメディ色の強い映画で、そのコメディも、殆どが滑った・転んだの類のベタなギャク。しかも、コメディ担当は、あのジョディ・フォスターなのです。これは、ある意味、非常に面白いと言うかかなり挑戦的。
しかも、構成が面白い。
映画の中で、助けを求めるのは、ニムとその父、ジャックなのですが、この２人、アレクサンドラの助けが得られない状態で、いずれも危機を自力で解決してしまうのです。
ニムは、島にやってきた“海賊”を、「ホーム・アローン」状態で奮闘し、結局、自力で追い返してしまうし、ジャックは、絶体絶命の危機を鮮やかに乗り越えてしまう。
（ただ、ジャックの最後の生還は予測範囲とは言え、やや唐突。これは何らかの伏線が欲しい所ですが）
では、アレクサンドラは結局、何を救ったのか。
それは彼女自身の人生を救ったのですね。
ニムとジャックの危機が、アレクサンドラの動機となり、それに突き動かされて、彼女は“決死”の冒険に挑み、自らの人生を変えるのです。
これは悪い物語ではないのですけど、見終わって、ちょっと物足りないのです。
それは、アレクサンドラの人生の変化や、ニムが出会った少年のその後など、中途半端に放り出された感じがあるのです。
ニムの冒険を描いてそれでよし、の映画ではなく、大人のアレクサンドラに軸足置いて、しかも、ジョディ・フォスターを置いているのです。この辺りの描写を加え、ドラマをより重厚に、大人を納得させるような出来映えになると、これは見違えるような映画になると思うのです。
ジョディ・フォスターにここまでドタバタやらせるんです。
そうでもしないと、勿体ないでしょう？
（９月６日 ＭＯＶＩＸ本牧にて）
（作品データ）
■監督
マーク・レヴィン／ジェニファー・フラケット
■出演
アレクサンドラ・ローバー ・・・ ジョディ・フォスター
ニム・ルソー ・・・ アビゲイル・ブレスリン
アレックス・ローバー／ジャック・ルソー ・・・ ジェラルド・バトラー
（その他のキャスト）
マイケル・カーマン マーク・ブラディ アンソニー・シムコー
マディソン・ジョイス シャノン・ヴァン・デ・ドリフト
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人生なんて、たった１行で変えられる。
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