ラストゲーム
最後の早慶戦
――野球
生きて我が家（ホーム）
に還るスポーツ
これは、太平洋戦争中、学徒出陣を前に行われた伝説の「早慶戦」を描く感動ドラマ。
１９４３年、太平洋戦争の戦局が厳しさを増す中で、六大学野球リーグが廃止された。早稲田大学では、公式戦のあてのないまま、それまで通りに練習を続けていた。
更に、学生に対する徴兵猶予が撤廃され、学生たちも戦場に送られる事になった。
慶應義塾塾長の小泉は、学生たちが出征する前に、はなむけとして、早慶戦を行いたい、と早稲田大学に申し入れる。
申し出を受けた早稲田大学・野球部部長の飛田は、開催を渋る早稲田大学総長を説き伏せ、何としてでも早慶戦を実現すべく奔走するのだが・・・
これは小粒ながらもよくできた映画です。
戦争を描きながらも戦場のシーンはほとんどなく、派手なシーンも露骨に感動を誘うシーンもない、静かな映画ではありますが、それでもあちこちに、じんと来るシーンがあります。
兄の戦死に、弟には好きな野球を出来るだけやらせてあげて欲しい、と言う母が願うシーンは勿論ですが、この映画の見所としては、開催に否定的な総長に対し、飛田部長が教育者の姿勢を訴える所ではないでしょうか。
ここは、飛田部長を演じた柄本明の迫力は勿論、総長を演じた藤田まことの演技も素晴らしいものがあります。
主演の渡辺大は、言わずと知れた渡辺謙の息子。
父親譲りの端正できりっとした顔立ちは、なるほど、当時の学生かくあるものか、と思わせるものです。
（その他にも、柄本明の息子の柄本佑、中村雅俊の息子の中村俊太と、２世俳優が目立ちます）
ラストシーンは、神宮外苑での学徒出陣の様子。
そうして出征していった学生たちの少なくない数が帰らぬ人となった事に、何とも言えない想いを感じたエンディングでした。
（８月２３日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
神山征二郎
■出演
戸田順治 ・・・ 渡辺大
飛田穂洲 ・・・ 柄本明
（その他のキャスト）
柄本佑 和田光司 脇崎智史 片山亨 中村俊太
宮川一朗太 三波豊和 原田佳奈 山本圭 藤田まこと
富司純子 石坂浩二
■コピー
忘れない。君たちが輝いた、あの日。
■Ｌｉｎｋ
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