大いなる陰謀
ＬＩＯＮＳ ＦＯＲ ＬＡＭＢＳ
これは、現代のアメリカを舞台に、政治、報道、教育、軍事の４つの観点から、国家（政治）と個人の関係に鋭く切り込み、問題をえぐり出そうとする、ハードな社会派映画です。
監督と主演は、ロバート・レッドフォード。共演はメリル・ストリープにトム・クルーズと、地味な内容ながら、キャストは豪華です。
アーヴィング上院議員の事務所を訪れたジャーナリストのロスは、アフガニスタンで展開されるテロ掃討作戦に関する独占取材の場を提供される。
しかし、その作戦は、既に実行されつつあった。
その頃、大学教授のマレーは、1人の学生をオフィスに呼び出した・・・
政府の腐敗を憂い、政治家の無能さをなじる人は多いけれど、では自分自身に何が出来るのか、と問われた時、明確に答えられる人がどれだけいるでしょう。
「個人に政治が変えられる訳がない」・・・と嘯き、投票すらせず、問題を放り出す人も（特に若い人には）多いのではないでしょうか。
しかし、我々は民主主義の国家に生きているのです。
国を変える力は、国民、ひとりひとりが持っています。
原題の「Ｌｉｏｎｓ ｆｏｒ Ｌａｍｂｓ」は、羊どもに率いられた獅子の意。
この言葉通り、我々ひとりひとりが、未来を力強く切り開く獅子になれるのか、あるいは、無力な羊となって無為に過ごすのか。
「目を開け。現実を見ろ」
監督の熱いメッセージを感じられる映画です。
（邦題は意味不明です。映画会社も、これをどう売ろうと、迷った結果かもしれませんが・・・）
対テロ戦争を描いている事で、これを他人事のように思う人もいるかも知れませんが、これは、我々も真剣に受け止めなければならないメッセージなのではないでしょうか？
ただ、この映画、メッセージ性は強烈なものの、ドラマ部分が弱い。
いや、はっきりと出来が悪いと言っていいでしょう。
それを、監督のロバート・レッドフォード始め、力のある俳優が演技でカバーしますが、それでもかなり苦しい。
もっとも、それでも、これはかなり考えさせられる映画です。
（４月１９日 ＷＭＣつきみ野にて）
（作品データ）
■監督
ロバート・レッドフォード
■出演
マレー教授 ・・・ ロバート・レッドフォード
ジャニーン・ロス ・・・ メリル・ストリープ
アーヴィング上院議員 ・・・ トム・クルーズ
（その他のキャスト）
マイケル・ペーニャ アンドリュー・ガーフィールド ケヴィン・ダン デレク・ルーク ピーター・バーグ
■コピー
何のために戦い、何のために死ぬのか──?
■Ｌｉｎｋ
［戻る］