Ｓｗｅｅｔ Ｒａｉｎ
死神の精度
これは伊坂幸太郎の小説を、これが初の長編映画となる筧昌也監督で映画化したもの。
死神が、ひとりの女性と出会い、人間と、人生を知って行く姿を通し、生と死、そして人生を描く物語です。
この映画の主役は、死神。
不慮の死を迎える候補の人間を７日間観察し、「実行」（死）か「見送り」（死を回避）の判断を下すのが、彼の仕事だ。
今回の彼の対象者は、地味なＯＬの藤木一恵。
身の回りの人々、そして彼女が愛した人が次々に死んでしまう、薄幸の女性だ。
だが、彼女の持つ”才能”が死神の判断を変え、そして・・・
独特の存在感と、違和感を持つ金城武と言う俳優を「死神」にキャスティングしたのは面白いです。
なるほど、コイツは違う、と言う雰囲気に、思わずクスリと笑わされてしまうやり取り・・・これが映画のトーンをも決定しているように思います。
また、地味に徹する為、敢えてノーメイクのすっぴんで出演した小西真奈美もいいし、最後をきちっと締める、富司純子の貫禄と存在感はさすがです。
物語は、生と死と言う哲学的テーマを深く掘り下げるまでにはいかないものの、異なる印象の３つのエピソードを組み合わせ、「生きる意味」を投げかけるものになっています。
当たり前だけど大事なものを教えてくれる物語です。
雨ばかりの映画が、最後に見せた青空のように、爽やかな後味の映画でした。
映画を観終わり外へ出たら・・・雨が降って来ました。
まぁ、この映画の後では、それもまたよいか、と。
（３月３０日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
筧昌也
■出演
千葉（死神） ・・・ 金城武
藤木一恵 ・・・ 小西真奈美
（その他のキャスト）
光石研 石田卓也 村上淳 奥田恵梨華 菅田俊
田中哲司 みれいゆ 唯野未歩子 森下能幸 山本浩司
川岡大次郎 吹越満 富司純子
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