明
日
へ
の
遺
言
この映画は、第二次大戦後の戦犯裁判で、米軍飛行士の処刑責任を問われた帝国陸軍東海軍司令官岡田資中将の法廷闘争を描くもの。
市街地への空襲は国際法違反であり、それに反した兵士は、捕虜ではなく、国際法違反より処罰してよし、とした岡田中将は、敗戦国の将校でありながら、戦勝国アメリカの戦争犯罪を訴えます。
戦犯裁判と言うと東京裁判が有名ですが、他にも、こうした裁判が行われていた、と言うのは知っておいていい事でしょう。
また、岡田中将に同情的な判事が、飛行士への処刑を、「空襲に対する報復ではなかったのか」と問いかける辺りも印象的。
（米軍法では、報復は認められている）
これに対し、「報復ではない。法に基づき処罰したのだ」と岡田中将は断言します。
結局、これが命取りになる訳ですが・・・これは印象的でした。
映画と言うメディアが２時間と言う時間の中で観客に伝えなければならないテーマとして「戦争」はあまりに重いものです。
だけど、ひとりの人間ならば描き切ることが出来るのでは？徹底した客観性と冷静さにより、この映画はその難題に挑戦します。
そうして、この映画は岡田資と言う人物の思いを、我々、現代を生きる観客に伝えます。個人でもって「戦争」そのものと戦った岡田資の思い・・・それは、紛れもなく我々に託された遺言です。それこそ、この映画「明日への遺言」なのです。
でも、何故、今、この映画なのか、と言う事は、この映画の内容を知るにつれ気になってしまいました。
（３月１日 １０９シネマズ川崎にて）
（作品データ）
■監督
小泉堯史
■出演
岡田資 ・・・ 藤田まこと
ナレーション ・・・ 竹野内豊
（その他のキャスト）
ロバート・レッサー フレッド・マックィーン リチャード・ニール
西村雅彦 蒼井優 田中好子 児玉謙次 頭師佳孝
松井範雄 金内喜久夫 加藤隆之 俊藤光利 近衛はな
中山佳織 齋藤文 富司純子
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愛する人へ遺したいものがある
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