陰日向に咲く
これは劇団ひとりの小説を映画化したもの。
東京を舞台に、様々に交錯する人々を描いたドラマです。
大型台風が接近する８月の東京。
パチンコに溺れ借金を抱える青年シンヤは、勤め先の所長にも更生を約束したものの、仕事帰りにパチンコ屋の前を素通り出来ず、有り金全部スってしまうような始末。そして、家に帰れば借金取りが待っている。
そんなある日、浅草で芸人をしていた母親の相方の男を探しているという女性、寿子と出会った彼は、浅草に不慣れな彼女をサポートすべく、人捜しの手伝いを買って出るが・・・
これ、群像劇の一種なのだけど、バラバラに見えた物語が収束し、感動を生んで行く、と言うのはなかなか面白い構成。
ただ、登場人物、それぞれが各自の着地点を見出してしまうエンディングは賛否別れるかもしれません。
（大団円を迎える、と言う形じゃないんです。これだったらオムニバス形式でもよかったかな、とも思います）
劇団ひとりは、その名の通り、ひとりで「何でもこなせる」のが売りの芸人だけど、物語の方もくるくると、カメレオンのように表情を変えてしまうのは、その癖からなのか・・・器用貧乏と言うか、手を広げ過ぎてまとまりを欠いた感があるのは惜しい所です。
特に、「がけっぷちアイドル」のエピソードは、本筋と接点がなく、ドラマから浮いた感がずっとあったのが気になりました。
（これ、切ってしまった方がよかったような・・・）
また、キャストも妙に豪華で、それ故に映画の中心が定まらないのも問題かもしれません。
ただ、軽く見せつつもしっかりと中身の詰まった映画だけに、確かに見応えはありますね、これ。
（２月１日 ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）
（作品データ）
■監督
平川雄一朗
■出演
シンヤ ・・・ 岡田准一
（その他のキャスト）
宮崎あおい 伊藤淳史 平山あや 緒川たまき 本田博太郎
北見敏之 山本龍二 根岸季衣 生田智子 堀部圭亮
池内万作 戸田昌宏 近藤公園 平岩紙 諏訪雅 浜田学
増本庄一郎 岩田丸 木幡竜 西田敏行 塚本高史 三浦友和
■原作
劇団ひとり
■コピー
ひとりじゃない。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］