ブレイブ ワン
これは、ジョディ・フォスター主演、幸福な暮らしを奪われた女性の復讐を描く映画です。
医師デビッドとの結婚を目前に控え、ＮＹで幸せな日々を送るラジオ・パーソナリティのエリカ。
しかし、ある夜２人は、散歩に出掛けた公園で３人組の暴漢に襲われ、デビッドは殺され、エリカも重傷を負ってしまう。
平和な街が、突如、凶暴な側面を見せた事で、それまでとは違う街に変貌してしまった。そんな恐怖に怯えるエリカは、１丁の銃を手に入れる。
自分を守る為。
だが、銃の持つ力はエリカを変えていく事になる・・・
この映画、確かに見所は多いです。
ジョディ・フォスターの演技もさすがだし、そのテーマも重い。
いたずらにサスペンスを盛り上げる事なく、どちらかと言うと静かな映画になっているのも好感は持てます。
しかし、そこまで出来ているからこそ、憎むべき犯罪を生む背景を含め、より深くテーマを掘り下げて欲しかったように思います。
平和な街が突如、死と隣り合わせの危険な場所になる。
それは、「９．１１」以降のＮＹ市民にとって、きっと共感出来る事なのでしょう。
でも、その恐怖から逃れる為、危険を排除する為に武装する事が正義なのでしょうか？
そして、それが正義であれば、人の命を奪う事も許されるのでしょうか？
結論は簡単に出ないでしょう。だからこそ、これは繰り返し、真剣に考える必要があると思います。
終盤の展開、あれはある意味で「逃げ」ではないか、と思いました。
勿論、結論を出さない事で、観客に考えさせる事も狙っているのでしょうけど・・・このエンディングには、テーマを掘り下げ切れなかった、詰めの甘さを感じました。
（１１月２日 ＷＭＣ海老名にて）
（作品データ）
■監督
ニール・ジョーダン
■出演
エリカ ・・・ ジョディ・フォスター
（その他のキャスト）
テレンス・ハワード ナヴィーン・アンドリュース ニッキー・カット メアリー・スティンバーゲン
■コピー
許せますか、彼女の”選択”
■Ｌｉｎｋ
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