腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
金曜日、仕事帰りに１０９シネマズＭＭにて観ました。
今年のカンヌで、「こんな日本映画は観たことがない」と話題となった作品だそうだけど・・・これは、なるほど、期待に背かぬ出来映え。
すごい映画です。
事故で急死した両親の訃報を受けて、女優を目指して上京していた長姉の澄伽が、山間にある村へと帰ってきた。
実家に残されたのは、何故か澄伽には逆らえない兄とその嫁、内気な妹の清深。
自分の才能を過信し、売れないのは家族のせいだと思い込んでいる澄伽は、清深への八つ当たり的なイジメを次第にエスカレートさせていく。
清深は、そんな姉に怯えていたが・・・
タイトルにある「腑抜けども」とは、”何か”に怯え、”何か”を認めようとしない、主人公たちのこと。
そうした登場人物が織りなす”ホームドラマ”がブラックコメディとして描かれます。
終盤の展開は・・・避けていた”何か”に直面した時、強いと思っていた者がもっとも弱く、弱いと思っていた者が最も強いと言う皮肉な展開。
（伏線どころが経緯を全て見せているので意表は突かれません）
・・・しかし、女と言うのは強いものだなぁ。
澄伽を演じた佐藤江梨子は、こうして見ると、その姿形は常人離れしていて、そのスタイルそのものが、見事にこの役になっています。これは正にハマり役。
瞳の奥に狂気を秘めた兄嫁役の永作博美の演技も素晴らしいし、清深を演じた佐津川愛実の演技もまた、それに勝るとも劣らない。
これは、今年の邦画屈指の１本になるでしょう。
（７月１３日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
吉田大八
■出演
和合澄伽 ・・・ 佐藤江梨子
和合清深 ・・・ 佐津川愛美
和合宍道 ・・・ 永瀬正敏
和合待子 ・・・ 永作博美
（その他のキャスト）
山本浩司 土佐信道 上田耕一 谷川昭一朗
吉本菜穂子 湯澤幸一郎 ノゾエ征爾 米村亮太朗
大原真理子 高橋睦美 金沢まこと 大川婦久美
■コピー
「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」
■Ｌｉｎｋ
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