スパイダーマン　３

　これはマーベル社の人気コミック「スパイダーマン」の映画化、第３弾です。

　スパイダーマンはＮＹで人気急上昇。犯罪も減少し、市から名誉市民として表彰されるまでになった。そうして自信を持てるようになったピーターは、ＭＪへの求婚を決心する。
　一方、ＭＪの女優業は行き詰まり、２人の関係はぎくしゃくし始める。
　そんな中、伯父を殺した真犯人の存在を知ったピーターに復讐心が芽生え、それに応じるように、謎の黒い生命体がピーターに取り憑いた・・・！

　スパイダーマンは、今回の映画で３人の強敵と戦う羽目となります。
　まずはピーターを父殺しの犯人だと思いこんでいる、ゴブリン・ジュニアことハリー・オズボーン。ピーターの伯父を殺した真犯人でもあるサンドマン。そして、謎の黒い生命体ヴェノムです。
　そして、物語の方も、主軸となるピーターとＭＪのロマンスに、ピーターとハリーの友情、ピーターのライバルとなるカメラマン、エディとの確執、そして新キャラ（原作ではピーターの恋人から妻となる）のグウェン・ステイシーがからんでくる。
　これはかなり欲張った構成です。

　この「スパイダーマン」シリーズは、ＶＦＸとアクションだけがウリの作品ではなく、そこにしっかりと人間を描くドラマが魅力であったのですが・・・この３作目、こうした欲張った構成の為、めまぐるしく場面が変わり、次から次へと見せ場がやってくるのです。
　サム・ライミ監督、ここに至って観客を退屈させてはいけない、とでも思ったのでしょうか？２０分に一度は派手なアクションを入れ、映画をダレさせません。
　これは・・・確かに退屈はしないけど、その影響でブツ切りにされた人間ドラマは掘り下げが浅くなった感があり、ちょっと残念な仕上がりです。

　ここに来て新キャラクターも登場し、どうやら、当初計画の映画は３部作で完結、と言うのは撤回された模様。
　今回の映画の印象が違うのは、恐らく、スタッフ・主要キャスト共に変更になる筈の次回作に向けての布石なのかもしれません。

　（５月１２日　ＭＯＶＩＸ本牧にて）

（作品データ）

　■監督

サム・ライミ

　■出演

　ピーター・パーカー／スパイダーマン　・・・　トビー・マグワイア
　メリー・ジェーン・ハドソン　・・・　キルステン・ダンスト
　ハリー・オズボーン　・・・　ジェームズ・フランコ

（その他のキャスト）
　トーマス・ヘイデン・チャーチ　　トファー・グレイス　　ブライス・ダラス・ハワード
　ジェイムズ・クロムウェル　　ローズマリー・ハリス　　J・K・シモンズ　　テレサ・ラッセル
　ディラン・ベイカー　　ビル・ナン　　ブルース・キャンベル　　エリザベス・バンクス
　クリフ・ロバートソン　　ウィレム・デフォー

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「自分」に挑め。

　■Ｌｉｎｋ

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