「マーシャル・ロー」

　今日は、「マーシャル・ロー」観て来ました。

　「戦火の勇気」のエドワード・ズウィック監督の最新作。
　・・・と、言ってもこれ、昨年夏辺りに公開される予定（実際、予告編は大分前に観た記憶がある）だったのが、延び延びになって、漸く公開されたもの。
　「内容がヤバいらしい」ってな話はあったけど・・・私的には「パトレイバー２」で衝撃を受けていただけに、それ程のものとも思えませんでした。

　物語は、アラブ人過激派の指導者をアメリカ軍が不法に拉致する所から始まります。
　その直後から、ニューヨークで爆弾テロが起き始めるのだが、対応に当たるＦＢＩは、テロの理由に思い当たる所がない。
　（軍が過激派のリーダーを拉致している事は、ＦＢＩは勿論、大統領ですら知らない）
　そんなＦＢＩの前にＣＩＡのエージェントが現れ、更にテロ行為に対しＦＢＩが無力と判断した政府により、遂に軍が出動、ニューヨーク市に戒厳令（マーシャル・ロー）がひかれることに・・・

　この映画、序盤はなかなかよかったのです。
　テロリストに対抗するＦＢＩのハーバート捜査官（デンゼル・ワシントン）らの奮闘は見応えがあって引き込まれましたが・・・ＣＩＡのエージェントや軍が登場してから、物語の行く先が不透明になってしまいました。
　ＦＢＩの目的は、「テロを食い止め、実行犯を逮捕する」、と言う事で明確なのですが、ＣＩＡと軍の目的が明確でないのです。
　これは、序盤では物語上の謎、として見ていられましたし、余所が何をやっているのか判らない、と言うのは縦割りされた行政組織の問題点を描いていて、それなにに納得出来ていたのですが、それが終盤になってもはっきりしないのは困りもの。
　しかも、物語自体、最初は指導者を拉致されたテロ組織との戦いを描いていた筈が、終盤は、戒厳令制とアメリカ民主主義理念の対決のようになってしまう。
　まぁ、物語の発端があれでしたから、軍の指導者が本当の悪玉となる、と言う展開には納得しないではないのですが・・・

　主役のデンゼル・ワシントンは、いつものように真面目男を演じています（「戦火の勇気」でも同様のキャラクターでした(^^)）が、これはハマリ役。
　一方、軍の将軍を演じたブルース・ウィリスは・・・ま、がっちりした身体付きはいかにも軍人らしいのですが、ブルース・ウィリス特有の何だか悪だくみをしていそうな目（悪役、と言うより悪ガキの目なんだな、これが(^^;）が、軍の高官と言うキャラクターに合っていないように思えました。

　また、戒厳令の様子ですが、実写故の限界はあるにしても、ちょっと食い足りない感じでしたね。
　ま、これも「パトレイバー２」と比較してしまうせいかも知れませんが・・・

　ま・・・前半がよかっただけに、後半の失速感が残念な１本でした。

　（５月２１日　マイカル本牧シネマズにて）

[戻る]