ＴＨＥ 有頂天ホテル
映画において、一定の場所を舞台として、幾人もの登場人物のドラマを並列、あるいは錯綜して描く構成を、映画「グランド・ホテル」にちなんで”グランド・ホテル形式”と呼びます。
この形式は、何人かのスターを共演させるのに都合が良く、スター共演の大作映画の多くで、この形式が採用されています。
この映画は、正に「グランド・ホテル」同様、ホテルを舞台に、豪華キャストを揃えて輻輳するドラマを描く、”和製グランド・ホテル”と呼べるものなっています。
大晦日を迎えたホテル・アバンティ。
恒例の新年カウントダウン・パーティまであと２時間、従業員はその対応に追われていた。
だが、宿泊客でごった返すホテル内では次々とトラブルが発生。
副支配人の新堂らは、その対応にも振り回される事に・・・
この、”グランド・ホテル形式”の映画は、主要登場人物が多く、尚且つ複数のスターを登場させるのが特徴ではあるのですが、それにしても、この映画は、これまたとんでもない豪華キャスト。
役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、麻生久美子、オダギリジョー、原田美枝子、唐沢寿明あたりは、それだけでも客を呼べるスター俳優。
（よくスケジュールが合わせられたものです）
津川雅彦、伊東四朗、西田敏行と言ったベテラン陣はさすがの存在感。
そして、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、YOU、寺島進,、川平慈英、石井正則、と言った脇役陣も、これだけの大人数でありながら、きっちりとキャラクターをアピール、個性的なアクセントになっているのもすごい。
これだけの大人数、しかも強烈な個性のキャラクタたちが入り乱れる制御不能な群集劇と見せつつも、その実、並列にめまぐるしく推進するストーリーをクライマックスに向けて見事に収斂させていくその手腕、確かに三谷幸喜、ただものではありません。
映画は、そうしたドタバタの末に起きた新年の奇跡を描くのだけど、この映画、このキャストを現実としたのが既に「奇跡」、そして、きちんとオチをつけて締めてみせるのですから、それまた見事。
これは傑作です。
（２月１９日 ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）
（作品データ）
■監督
三谷幸喜
■出演
新堂平吉（副支配人） ・・・ 役所広司
矢部登紀子（アシスタントマネージャー）・・・ 戸田恵子
武藤田勝利（国会議員） ・・・ 佐藤浩市
竹本ハナ（客室係） ・・・ 松たか子
只野憲二（ベルボーイ） ・・・ 香取慎吾
ヨーコ（コールガール） ・・・ 篠原涼子
赤丸寿一（芸能プロ社長） ・・・ 唐沢寿明
（その他のキャスト）
生瀬勝久 麻生久美子 YOU オダギリジョー 角野卓造
寺島進 浅野和之 近藤芳正 川平慈英 堀内敬子
梶原善 石井正則 原田美枝子 津川雅彦 伊東四朗
西田敏行 清水みちこ
■コピー
最悪の大晦日に起こった、最高の奇跡。
■Ｌｉｎｋ
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