ＦＬＹ，
ＤＡＤＤＹ，ＦＬＹ
フライ，ダディ，フライ
休日出勤の帰り、またしても映画館へ。
今度は、海老名で、「フライ，ダディ，フライ」です。
堤真一演じる鈴木一は、おもちゃ会社に勤務するサラリーマン。
仕事は順調で、部長昇格も手の届く所。一戸建てのマイホームを購入し、高校生に入ったばかりのかわいい娘の遥にも好かれている、幸せな毎日を送る、普通のお父さんだった。
ところが、夏休み直前のある日、遥が他校の男子生徒に暴力をふるわれ重傷を負ったことで、家庭は崩壊してしまう。
娘にケガを負わせた生徒はインターハイ優勝のボクシング選手。しかも、父親は衆議院議員。
事件を明るみに出そうとせず、金でケリをつけようとする保護者と、まったく反省の色を見せないその男子生徒、石原に文句を言おうとする鈴木だったが、国会議員の地位と札束、そして、石原の繰り出したパンチの素振りひとつで腰を抜かしてしまった鈴木は、事件の責任を妻と娘に押しつけてしまったのだ。
翌朝、思い詰めた挙げ句に石原の通う学校に乗り込んだ鈴木だが、学校を間違えた上に、やたらとケンカの強い生徒に、逆にのされてしまう。
その生徒、朴舜臣（パク・スンシン）から、「自分を傷つけたくないから、恐怖から逃げた」と看破された鈴木は、４０日の休暇を取り、舜臣から特訓を受け、遥の敵を討つことを決意する・・・
この映画、家庭崩壊と、復讐を描く話だけど、陰湿さはありません。
（もっとも、娘のはるかが殴打されるシーンはかなり痛々しいものですが）
全体的に、コミカルで明るい雰囲気がありますし、ろくに走る事すら出来なかった鈴木が強くなっていく姿にはスポ根物の爽快感があります。
長幼の逆転した師弟関係も目新しく、無愛想な舜臣が心を開き、その瞬間、鈴木との関係逆転する描写にはホロリとさせられます。
普通のお父さんを真っ直ぐに演じた堤真一の熱さ、舜臣を演じた岡田准一の孤高な存在感もいいし、石原ｖｓ鈴木対決を演出するおちこぼれ高校のメンツ、”ゾンビーズ”の騒々しさもいい。
遥役の星井七瀬は、この役柄だから仕方ないけど、もっと笑顔が見たかったな。
これ、実際に子供のいるお父さんにとっては身につまされる話でしょうねぇ・・・
「本当の勇気を感じる事が出来たら、戦わなくたっていいんだぜ」
そんな舜臣の言葉が響く、中年のおじさんに向けての熱い応援歌。
おとなの夏休みに相応しい映画だと思います。
（７月１７日 ＷＭＣ海老名にて）
（作品データ）
■監督
成島出
■出演
鈴木一 ・・・ 堤真一
朴舜臣 ・・・ 岡田准一
（その他のキャスト）
松尾敏伸 坂本真 青木崇高 広瀬剛進 星井七瀬
渋谷飛鳥 愛華みれ 浅野和之 温水洋一 徳井優
大河内浩 田口浩正 神戸浩 モロ師岡 須藤元気
塩見三省
■コピー
大切なものをとりもどす、最高の夏休み！
■Ｌｉｎｋ
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