「２０４６」

　木曜日、朝から風邪で熱っぽく、ふらふらしている状態。
　朝から打ち合わせがあって会社を休めず、出勤したものの・・・結局、早めに会社を上がり・・・でも、そのまま帰宅すればいいものを、結局、映画を観に行ってしまいました。(^^;

　映画は、「２０４６」。
　これは、「恋する惑星」、「華様年華」のウォン・カーウァイ監督の新作。
　４年間の中断を経て、今年のカンヌに出品され、日本では、木村拓哉が出演している事でも話題になった作品です。

　映画の舞台は、１９６０年代、香港。
　ホテルの一室に住み、享楽的な生活を送る作家のチャウは、自作の近未来ＳＦ小説「２０４６」に、身の回りの人物を登場させていた。
　・・・「２０４６」へと向かうミステリー・トレイン。
　人々は、失われた記憶を取り戻すためその列車に乗る。
　だが「２０４６」からは、誰ひとりとして戻ってくることはなかった。ただひとりの男を除いては・・・

　これは、なんとも豪華な印象の映画です。
　トニー・レオン、コン・リー、木村拓哉、フェイ・ウォン、チャン・ツィイーといったアジアのスターを集めたキャストは豪華ですし、甘くて苦いムードもいい。
　そして、１シーン１シーンを、まるで絵画のように切り取っていく、クリストファー・ドイルのカメラワークも見事です。

　映画としては、淡々と進む感じで、いささか物語の盛り上がりに欠けますが、その分、計算され尽くした見事なカットの中の、スターの演技を楽しめます。
　そんな雰囲気に浸る事が出来るかどうかが、この映画を楽しめるポイントになるのではないでしょうか？

　己の望む「愛」を探して彷徨う小説「２０４６」の主人公に、自分を投影するチャンと同じく、カーウァイ監督も、チャンに己を投影しているように思えます。
　そんなカーウァイ監督の魂の彷徨を描くこの映画、実は極めて私的な映画なのかもしれません。

　（１１月１１日　ＷＭＣみなとみらいにて）

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