リバウンド
ＲＥＢＯＵＮＤ

　これは部員数僅か６名の弱小高校バスケットボール部が全国大会で活躍するに至った実話を基に映画化したもの。
　出演は「シークレット・ジョブ」のアン・ジェホン、２ＡＭのチョン・ジヌン。監督はチャン・ハンジュン。

　高校バスケではＭＶＰにも輝いたカン・ヤンヒョンだが、卒業後、プロ選手になる事を断念、今や公益勤務要員の職に就いていた。そんな彼が、廃部の危機に瀕した釜山中央高校バスケットボール部のコーチに抜擢される。
　学校からは期待されず、歴史あるＯＢ会へ面目を保つために部を存続させればよいと言われたが、ヤンヒョンは選手をかき集め、大会出場に漕ぎつける。初戦の相手は、高校バスケットボール最強と謳われるソウルの龍山高校だったが……

　消耗の激しさ故に、局面に応じ選手を交代させながら戦うバスケットボールで、部員数６名、しかも途中から負傷により５名となって交代枠がないチームが、全国大会の決勝を戦ったと言う、漫画でも描かれないようなエピソードが実話だと言う所に驚きます。

　映画は、その実話である全国大会決勝までを、チームの誕生から描いています。
　韓国映画らしく、前半はコメディタッチの軽い入り方をし、最後に盛り上げるのは勿論、チーム編成、そのドタバタ、手痛い敗戦と、そこからの再起……と言うのは、スポ根映画として定番の作り。
　意外だったのは、ロマンス描写が一切ない事ですが、これは登場人物の多くが実在の人物（コーチと選手は全員がそう）なので、プライベートな部分には踏み込めなかった、と言う事でしょうか……
　選手間の因縁などドラマ作り込みながら、迫力ある試合を描いているのも素晴らしく、クライマックスの試合シーンなど、まるで、劇場版「スラムダンク」を実写でやっているような感じです。
　怪我でチームに迷惑をかけた選手が、その怪我を隠して出場、「（怪我は）とうに限界は超えた。借りは返す。この試合で俺を使い切れ」と、再起不能を覚悟して言うのには胸が熱くなりますし、エンドロールで明かして見せた現実の再現っぷりには感心するばかり。
　これもまた、韓国映画の力量を思い知らされる１本だと言えるでしょう。　
　

　（２０２４年　４月２９日　横浜ブルク１３にて）

（作品データ）

　■監督

チャン・ハンジュン

　■出演

カン・ヤンヒョン　・・・　アン・ジェホン

（その他のキャスト）
　イ・シニョン　　チョン・ジヌン（2AM）　　チョン・ゴンジュ　　キム・テク　　キム・ミン　　アン・ジホ

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廃部寸前の高校バスケットボール部が全国大会進出！？
たった６人の選手と新人コーチが巻き起こした奇跡の記録！

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