これは、キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮するアクション・シリーズ第４弾。
　共演は「イップ・マン」シリーズのドニー・イェン、「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のビル・スカルスガルド。日本からは、真田広之。その娘役には、モデルで歌手のリナ・サワヤマが起用されました。
　監督は、シリーズ全作を手がけるチャド・スタエルスキ。

　殺し屋組織の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋ジョン・ウィック。
　だが、組織内では、主席連合から全権を任された若き高官グラモン侯が、聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破。さらにジョンの旧友で盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出すのであった。
　一方、ジョンは大阪のコンチネンタルホテルを訪れ、ジョンの旧友にして支配人の島津に協力を求めるが……

　本作は、サブタイトルに「コンセクエンス（報い）」とあるように、様々に交錯する報いの物語……映画は１６９分もあるが、自分は退屈はしませんでした――なにしろ、アクションはこれまで以上にアップデートされて見応えがあり、ドニー・イェンに盲目でのアクションを演じさせる、など新たな見せ方も面白い。美術もこれまで以上に凝っていて美しく、これは、劇場の大画面で観る価値は十分にあるものでしょう。
　大坂コンチネンタルのセットは見事なものだし、フランスで刺客を廃ビルに誘い込んでの戦いは、天井のないセットを組み、天井から見下ろす、と言う斬新な視点でアクションを見せるなど、見所はてんこ盛りです。
　ただ、最後の決闘の場へ向かう、長い階段での戦いは、タイムサスペンスとしても破綻気味だし、さすがに冗長に感じました。また、エピローグにあるシーンは蛇足だとして否定的意見も多いものの、あれがなくては「報い」にならないだろう、と自分としては肯定的に受け止めました。

　映画は、完結編として、最後に決着をつけた感じがあります……ただ、それだけに、鑑賞に臨んでは過去作をおさらいしておく必要はあるかもしれません。


ＰＳ
　リナ・サワヤマのスタント・ダブルを、「ベイビーわるきゅーれ」の伊澤彩織が務めています。彼女のアクションは高く評価され、顔出しで出演する事も検討されたものの、それには至らなかったとか……残念。
　

　（２０２３年　９月２７日　１０９シネマズ湘南にて）

（作品データ）

　■監督

チャド・スタエルスキ　

　■出演

　ジョン・ウィック　・・・　キアヌ・リーブス
　
　ケイン　・・・　ドニー・イェン

　グラモン侯爵　・・・　ビル・スカルスガルド

　島津　・・・　真田広之

（その他のキャスト）
　ローレンス・フィッシュバーン　　リナ・サワヤマ　　シャミア・アンダーソン　　ランス・レディック　　スコット・アドキンス　　イアン・マクシェーン

　■コピー

　報いを受ける時がきた

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