「下妻物語 」

　今日は久々にクルマに乗って、慣らしを進めようと思って、頑張って早起きしたにも関わらず、雨。

　仕方ないので、１０時まで家で過ごし、映画を観に行こうとクルマで出掛けることにしました。
　ＷＭＣつきみ野に向かい、まず観た映画は「下妻物語」。

　深田恭子が、フリフリのロリータ・ファッションで主役を演じる事で話題になっているこの映画・・・お、面白いぞ、これ。(^^)
　笑いあり涙あり、ラストには大アクションも用意して、「これぞ娯楽映画！」と言う、痛快な映画になっています。

　主人公・桃子は、茨城県下妻に暮らす女子高生。
　フランス宮廷世界に憧れ、全身、フリルでひらひらしたロリータ・ファッションに身を包み、２時間半かけて渋谷に買い物に行くのが生き甲斐。
　そんな桃子の前に、改造原付に跨るヤンキー娘のイチゴが現れる。
　「友達なんかいらない」と言う桃子だが、イチゴはそんな桃子の生き方に興味を持ったのか、桃子の家を度々訪れるようになる・・・

　この映画、何と言っても登場人物のキャラクターが強烈。
　正に「マンガから抜け出て来た」ようなインパクトの強いキャラクターばかりで、そんな中、ロリータ・ファッションのフカキョンが時代錯誤のアイドルもどきのキャラを演っても・・・と思った所が大間違い。
　このフカキョン演じる、主人公の桃子が一番強烈なのです。
　とにかく可愛い服を身にまとう事が、全て。
　その為なら、どんなに汚い真似もするし、親兄弟も友人もいらない、欲しくない。
　自ら「わたし根性ねじ曲がってまーす」と明るくかわいく言い切る、この桃子のキャラクターが最高。
　これに比べると、土屋アンナ演じる、今や絶滅危惧種のヤンキー娘、イチゴなど真っ当な人間に思えてしまうし、桃子の両親を演じた、宮迫博之、篠原涼子の怪演もかすんでしまいます。

　中島哲也監督は、ＣＭ製作で活躍している人だそうですが、確かにインパクトのある映像と展開、そして、そのＣＭ手法を逆手にとったようなギャグ（よくイオンが承知したよな）も強烈。
　こうした、ＣＭなどビジュアル畑出身の監督は、映像はともかく物語にまとまりを欠く事がありがちなのですが、それを感じさせない辺りも見事なものだと思います。

　こうした強烈なキャラクターと、インパクトあるビジュアルを使って描かれる物語は、これは意外なくらいオーソドックス。
　確かに、演出手法は、まるでマンガです（繰り返し描かれるイチゴが桃子を蹴り倒すシーンなどは特に）が、その内容は極めて真っ当なモノ。
　主人公の生い立ちから始め、２人の少女が自分の「人生」をつかみ取る、その足取りを、２人の友情を絡めて描くその物語は、ビルディングスロマンの、正に王道と言っていい出来映え。
　２人の友情のはぐくまれる行程には胸が熱くなりますし、イチゴの失恋のシーンでは、不覚にも落涙していまいました。(/_;)
　（この映画で泣くとは思わなかった・・・）
　しかも、こうした「泣かせ」の部分が、決してじめじめしていないのです。
　これは、新世代の日本映画を感じさせてくれます。

　そして、終盤、クライマックスに向かう２人の決断も感動的ですし、クライマックスの大乱闘シーンでの、ブチ切れた桃子の大立ち回りと、ドスの効いた啖呵は、これはもう痛快そのもの。
　（ここでのフカキョン、見事に目が座ってます）

　エピローグも適当で、これは気持ちよく劇場を出る事が出来ました。
　あー、面白かった。

　（６月６日　ＷＭＣつきみ野にて）

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