ＢＡＤ ＧＵＹＳ
バッドガイズ

　これは、「ボス・ベイビー」などのヒット作を送り出してきたユニバーサル・スタジオ×ドリームワークス・アニメーションによるアニメ。
　監督は、「ボス・ベイビー」と同時上映された短編アニメ「ビルビー」を手がけたピエール・ペリフェル。

　天才的スリでカリスマ的リーダーのウルフ、金庫破りのスネーク、変装の達人のシャーク、怪力のピラニア、天才ハッカーのタランチュラの５人（５匹？）から成る怪盗集団バッドガイズは、“ワルをやるなら思いきり”を合言葉に、権力者や富豪たちから華麗なテクニックで財宝を奪ってきた。
　彼らは、伝説のお宝、＜ゴールデン・ドルフィン＞に目を付け、国立美術館で開催されるパーティに潜り込み、大胆な作戦で盗み出そうとしたものの、失敗。５人は逮捕され、街の名士マーマレード教授の指導のもと、バッドガイズをグッドガイズに変えるという実験が行われることになるが……

　これは、ドリームワークス・アニメーションらしく低年齢層向け、しかも、ディズニー／ピクサーと比べると、これが大分安っぽい仕上がりとなっています。
　３Ｄ造形された顔の上に、目が「描かれている」、と言う３Ｄキャラとセルアニメを融合したような独特の描写で、面白くはある（＝アニメ的なデフォルメされた表情表現が可能）ものの、安く仕上げて来たな、と言う印象です。
　世界観としても、「ズートピア」や「シング」のように、登場人物全てを動物に置き換えるのではなく、主要なキャラだけが動物、と言うもので、その背景説明もないなど、作り込みの甘さが目立ちます。

　ところが、この映画、内容は決して低年齢向けではなく、なかなか面白いのです。
　伊達者の怪盗チームリーダー、個性的な仲間たち、その逮捕にがむしゃらな警官、更に、敵か味方か判別出来ない謎の美女……と言うキャラクター設定は、まるで「ルパン三世」。
　このエピソードで「ルパン三世」の新作を撮ってもまるで違和感のない感じです。
　内容も、鮮やかな現金強奪に始まり、迫力のカーチェイス、コミカルなふざけ合いに思わず心温まるようなエピソードと盛り沢山で、それを最初っから最後までテンポよく見せ場の連打で楽しませる……これは予想以上に面白かった１本でした。　
　

　（２０２２年　１０月　９日　横浜ブルク１３にて）

（作品データ）

　■監督

ピエール・ペリフェル

　■出演

ウルフ　・・・　サム・ロックウェル
スネーク　・・・　マーク・マロン
ピラニア　・・・　アンソニー・ラモス
シャーク　・・・　クレイグ・ロビンソン
タランチュラ　・・・　オークワフィナ

（その他のキャスト）
　ザジー・ビーツ　　リチャード・アイオアディ　　アレックス・ボースタイン　　リリー・シン
　

　■コピー

華麗に、ワルく行くぜ。

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