レジェンド・オブ・メキシコ
デスペラード

　めっきり春めいて来た今日この頃。この季節、悩みとなるのが花粉症です。
　この日は、仕方なく昼過ぎに飲んだ抗ヒスタミン剤の影響で、眠いと言うか、とろ〜んとしちゃって仕事にならない。
　そんなんで、仕事にならんと会社を上がり、かといって眠い訳でもないので時間潰しに、と映画を観に行きました。
　せめてふん詰まってる鼻の代わりに、映画くらいはスカッとさせて欲しい、と思って選んだのが、「レジェンド・オブ・メキシコ　デスペラード」。

　これは、’９５年に一世を風靡したロバート・ロドリゲス監督の出世作、「デスペラード」の続編となる映画です。
　
　メキシコで、”伝説”として語られる男、エル・マリアッチ。
　その話に興味を示すＣＩＡ捜査官サンズは、マリアッチを拉致した上で、殺しを依頼する。
　殺しのターゲットは、マルケス将軍。
　その名を聞いたマリアッチの心の中に、復讐の火が灯った・・・！

　この映画、出だしは悪くありません。
　”伝説の男”マリアッチの活躍を、多少尾鰭のついた話として派手に見せ、それを今回の準主役である、サンズ（＝ジョニー・デップ）が聞く、と言う・・・そこまではいいのですが、その後の展開がどうにも悪い。

　基本的に、妻子を殺された男の復讐と言う、シンプルな物語をここまで滅茶苦茶にしてしまったのは、脚本が悪い。
　とにかく、無用に思える程、登場人物が多いし、しかも、その登場人物絡みのエピソードが本題の物語に活きて来ない。
　まぁ、元々が派手な銃撃戦と過剰なまでの演出で見せていた「デスペラード」、今回は、キャストの方も過剰なまでに豪華にしようとし、それぞれの見せ場を思いつくままに作っていったらこうなった、と言う所でしょうか。
　（サルマ・ハエックなど無理言って自分の登場シーンを作らせ、無用な程に回想シーンが増えたとか・・・）
　部分部分にはいいシーンも多いし、アクションは見せるけれど、こうもバラバラな物語ではどうしようもありません。

　主役は、相変わらずのアントニオ・バンデラス。
　確かに、体型や身のこなしは相変わらずだけど、さすがに、年取ったなぁ、と言う感じ。
　格好いいのは勿論なんだけど、前作と同様のキャラクターを演じるのは、ちょっとキツいかな、と感じました。
　この辺り、時の経過と年齢を感じさせるようなキャラクター作りをすれば更に魅力が増したと思うのだけど・・・
　今回の準主役となるジョニー・デップは、その飄々としたエキセントリックさは、確かに見物だけど、これが主役と絡んで来ないでは、一体、何の為に出て来たのやら、と言う感じ。

　どうも、各スターのプロモーションビデオをつなぎ合わせて強引に１本の映画としたような印象です。

　（３月１５日　ＷＭＣつきみ野にて）

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