イン・アメリカ

三つの小さな願いごと

　土曜日、仕事で川崎工場に外出した帰り、ちょっと時間がとれたので、川崎チネチッタで映画を観て帰る事にしました。
　出来れば「解夏」が観たかったのですが、劇場に辿り着いた時には上映が始まってしまい、３０分ほど待てば観られる「イン・アメリカ」を観る事にしました。

　実は、コレ、予備知識なにもなし。
　どんな映画だか、皆目見当もつかずに見始めました。(^^;

　俳優を夢見、アイルランドからアメリカにやって来たジョニーとその家族、妻サラと２人の幼い娘たち。
　ダウンタウンで漸く見つけたボロアパートでの新生活が始まった。
　家族は長男のフランキーを亡くした痛手から未だ立ち直っておらず、ジョニーはオーディションに落ち続け、慣れない都会の熱気が家族を苦しめる。
　でも、ここは夢の国、アメリカ。どんな願いもかなう国。
　しかし、願いごとには願っていいことと、いけないことがある・・・

　これは、家族が、喪失の苦しみを乗り越えて行く様を描いた映画。
　亡くした子供、フランキーに、目に見えぬ鎖で縛られていた家族が、新たな生命の誕生と共にそれを断ち切る、と言う物語は、実は監督、自らの体験によるものだとか。

　現実の様々な苦難を乗り越えていく家族の姿はそれなりに感動的。
　でも、この映画で、それ以上に輝いていたのは、新天地・アメリカで、生き生きと躍動する幼い姉妹の姿。
　アリエルの無邪気な微笑みには思わず釣り込まれて笑ってしまいそうだし、クリスティの健気なお姉さんぶりも好印象。
　実際の姉妹であるこの２人が、この重苦しく単調になり勝ちな映画を軽やかな印象のものに変えたように思います。

　ここまで書いていて思いついたのですけど、この映画って「となりのトトロ」なのですね。
　２人の姉妹の年格好も似てるし、ジャイモン・ハンスゥ（この人も、フォレスト・ウィティカー同様、いい黒人と言う役柄が固まって来たかなぁ）演じる、謎の芸術家は、正に「トトロ」でした。(^^;

　（１月１７日　川崎チネチッタにて）

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