ガンズ・アキンボ

　これは、ダニエル・ラドクリフ主演のアクション。
　監督は、「デビルズ・メタル」のジェイソン・レイ・ハウデン。

　仕事の憂さ晴らしにネット荒らしを繰り返すゲーム会社のプログラマー、マイルズ。
　彼は、殺し合いを配信する闇サイト“スキズム”のサイトを攻撃してしまい、それに激怒したスキズムのボス・リクターによって、両手に拳銃を固定され、最強の殺し屋ニックスと戦う羽目になってしまう。
　しかも、リクターはマイルズの元カノのノヴァを誘拐……マイルズは、制限時間の２４時間内にニックを倒し、ノヴァを救出する事が出来るのか？

　……と言うストーリーから判るように、この映画は、バトルアクションゲームのリアルにやってしまったら、と言うもの。そのいささか安易な設定に、バカバカしくも思える極端な描写を盛り込んだアクションコメディで、どう見てもＢ級です。
　そんな映画の主演を務める、俳優としてのキャリアなどもう興味ないね、とでも言いたげなダニエル・ラドクリフの出演作選びは相変わらず。しかも、本作でも自分が決して前に出過ぎず、敵役のニックを演じた若手女優のサマラ・ウィーヴィングに花を持たせる、と言う辺りも彼らしい所でしょう。

　映画は、いかにもゲーム的なモチーフを持ち込んだ設定と展開で進みます。ダニエル・ラドクリフ主演だけに、予算には余裕があったようで、それなりに派手な絵作りと展開を見せますが、ギャグのセンスは今ひとつ……そんな所までＢ級なんだな……
　物語は、敵役のニックが、炎に怯えて“女の子”の顔を見せた所で、先が読めてしまいましたが、そんな安易な展開もこれはこれで悪くない。
　色々悪趣味な部分もある映画だが、うじうじしたオタク青年が２４時間で戦うヒーローに変身する、そんなバカらしくも痛快な内容は、Ｂ級アクションコメディと割り切れば楽しめるのではないでしょうか。　
　

　（２０２１年　２月２７日　Ｋｉｎｏシネマみなとみらいにて）

（作品データ）

　■監督・脚本

ジェイソン・レイ・ハウデン

　■出演

マイルズ　・・・　ダニエル・ラドクリフ

ニックス　・・・　サマラ・ウィーヴィング

リクター　・・・　ネッド・デネヒー

（その他のキャスト）
　

　■コピー

ナターシャ・リュー・ボルディッゾ　　リス・ダービー 　　グラント・バウラー　　エドウィン・ライト

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