ナイブズ・アウト
名探偵と刃の館の秘密

　これは、「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」のライアン・ジョンソンが脚本・監督したミステリー。
　公開以来、高い評価を得ており、第７７回ゴールデングローブ賞ではコメディ・ミュージカル映画部門の作品賞を受賞しています。
　
　大富豪で、世界的ミステリー作家のハーラン・スロンビーが一族を集めた誕生パーティーの翌日、遺体となって発見された。
　パーティーに参加していたハーラン・スロンビーの一族だけでなく、屋敷にいた看護師、家政婦ら全員が容疑者という中、名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の捜査依頼を受ける。ブノワは家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく……

　この映画、てっきり「アカザ・クリスティー　ねじれた家」を現代を舞台にリメイクしたのか、と思っていたら、これがなんとオリジナル作品……とは言え、巧妙なトリック、意表を突く展開は、正にアカザ・クリスティー風ではあります。（勿論、それを狙っているのですが）
　また、キャストも豪華。名探偵ブランを「００７」シリーズのダニエル・クレイグが演じ、ヒロインは「ブレード・ランナー　２０４９」のアナデ・アルマス。彼女ならではのコケティッシュな魅力は封印された感じですが、これはこれで新たな魅力を見せています。更に一族の問題児を、「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスと言うのもいい。他に、トニ・コレットにマイケル・シャノンと、個性的な顔ぶれが、多く登場する人物の存在感を際立たせています。
　
　物語の背景には、現代のアメリカ映画らしく移民や格差の問題を盛り込む辺りも抜かりなく、金が地位を生み、時に立場を逆転させていく、と言うのもアメリカらしい所ではないでしょうか。
　いささか、策士策に溺れる感があるのは残念ですが、これは面白いミステリーだったと思います。
　

　（２０２０年　２月　５日　ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）

（作品データ）

　■監督・脚本・脚本

ライアン・ジョンソン　

　■出演

　ブノワ・ブラン　・・・　ダニエル・クレイグ

　ハーラン・スロンビー　・・・　クリストファー・プラマー

（その他のキャスト）
　クリス・エヴァンス　　アナ・デ・アルマス　　ジェイミー・リー・カーティス　　トニ・コレット　　ドン・ジョンソン　　マイケル・シャノン　　キース・スタンフィールド
　キャサリン・ラングフォード　　ジェイデン・マーテル　　フランク・オズ　　リキ・リンドホーム　　エディ・パターソン　　Ｋ・カラン　　ノア・セガン

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