さよなら
テレビ　

　これは、「ヤクザと憲法」、「人生フルーツ」などの話題作を送り出している東海テレビのドキュメンタリー劇場第１２弾で、内容としては２０１８年に東海テレビで放送された番組に新規映像を追加し、劇場用に再編集したものとなります。
　監督は「ヤクザと憲法」の?方宏史。
　
　かつて、情報や娯楽を提供するメディアとして隆盛を誇ったテレビ。だが、今やテレビを持たない若者も珍しくない。
　マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、“マスゴミ”と揶揄されるようになって久しい。これは市民社会の成熟か、メディア自身の凋落か。
　今、テレビで何が起きているのか？東海テレビ「ヤクザと憲法」のクルーが、“禁断の領域”とも言える自社の報道部にカメラを入れた――

　これはなかなか面白いドキュメンタリー。
　その企画段階からカメラは回り始め、中心となる報道局を写し始めると、報道番組であれだけ他人を撮りまくっていた人物が、自分を撮られるのを嫌がって声を荒げるのです。
　日頃馴染のないテレビ局のカメラの裏側で何が起きているのかを記録した映像として、お仕事紹介の面白さはあるし、視聴率に一喜一憂するスタッフ、三六協定遵守に悩む管理職と、同じ会社勤めをする者として、身につまされる描写も多くあります。

　それでも、あともう一歩踏み込みが浅いのではないか、こんなものなのか……と思った最後の最後で、この映画は全てをひっくり返します。
　これにはさすがにびっくり……確かに、テレビ番組、いや、ドキュメンタリーと言うのは、そう言う作りをするものだ、と知識としては知っていたものではあるのですが、それをこう言うやり方で描くとは―――やはり東海テレビ、いや、 ?方宏史、確かに只者ではありません。
　

　（２０２０年　１月１８日　ユーロスペースにて）

（作品データ）

　■監督

?方宏史　

　■出演

　■コピー

これは、裸のラブレター

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