これは、石田スイの同題の人気コミックを実写映画版第二弾。
　主演の窪田正孝は変わらずですが、監督は萩原健太郎から、川崎拓也／平牧和彦のＷ監督となり、大分感じが変わっています。

　事故により、人を喰らわないと生きられない喰種《グール》と人間のハーフになってしまったカネキ。ふたつの世界の狭間で葛藤しながらも、喰種たちが集う喫茶店「あんていく」の仲間たちと日々を過ごしていた。
　ある日、カネキは大学に現れた男・月山習から親しげに話しかけられる。実は月山は、美食家（グルメ）と呼ばれる最悪の喰種であった。カネキにただならぬ執着を見せる月山は喰種専用のレストランにカネキを誘い……

　この映画、物語としては、前作の直後に繋がるもの。しかしながら、第一作でトーカを演じた清水富美加の出家の影響もあったのか、第二作目の公開まで２年を要し、監督も替わればキャストも変化を見せており、これは続けて観ると違和感があるのではないでしょうか。
　そして、内容の方も、カネキの肉体変化をホラーチックに見せると共に、見応えのあるアクションの連続でアクション・サスペンスとしてまずまずの完成度を見せていた前作に対し、本作では、グルメは最初っから敵役として登場、それを斃すのがクライマックスとなって物語は一本調子となっている上に、そのクライマックスにしてからが、倒され、意識を失った人物が都合よく順番に立ち上がってグールに立ち向う、と言うご都合主義きわまるもので白けてしまいました。

　また、この映画、細部のリアリティがいい加減。待ち合わせで時間を言わない、呼び出しするのに場所を伝えない……映画が如何に作り物とは言え、その描く大きな嘘を観ている最中だけでも信じさせるには、リアリティの積み上げが必然なのに……そうした引っかかりが映画没入を妨げるのも惜しい所。

　今回、清水富美加に代わりトーカを演じた山本舞香は、柔道黒帯持ちだとかで、なかなか見事なアクションを見せていますし、グルメを演じた松田翔太の怪演も見物。
　そんな俳優のがんばりも、この出来ではなんとも残念……映画エピローグには新キャラが顔出し、続編がある事を示しますが、この内容では正直期待出来ないなぁ、と思ってしまいました。　
　

　（２０１９年　７月１９日　名古屋　ミッドランドスクエアシネマにて）

（作品データ）

　■監督

川崎拓也　　平牧和彦

　■出演

金木研（カネキ）　　・・・　窪田正孝

霧嶋董香（トーカ）　・・・　山本舞香

月山習（グルメ）　　・・・　松田翔太

（その他のキャスト）
　鈴木伸之　　小笠原海　　白石隼也　　木竜麻生　　森七菜　　桜田ひより　　村井國夫
　知英　　マギー　　ダンカン　　�蜿r太郎　　坂東巳之助　　新田真剣佑

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喰うか　喰われるか

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