これは、韓国の人気ウェブコミックを、「ミスターＧＯ！」のキム・ヨンファ監督が２部作で映画化した後篇。

　１０００年の間に４８人を転生させた冥界の３人の使者たち。最後の仕事となる４９人目の貴人となったジャホンを生まれ変わらせたものの、彼の裁判の途中で、悪霊となったジャホンの弟スホンを冥界に連れて来た事を罪に問われた使者のリーダーのカンニムは、スホンを弁護して裁判を行う事で自身の潔白を証明する事になる。
　一方、ヘウォンメクとドクチュンは、閻魔大王の命を受け、使者の任務を離れて寿命の尽きた老人を守護しているソンジュ神を冥界に連れ戻す事になるが……

　２部作の後編となる第二章は、七つの地獄を巡り裁判によって貴人として転生する事を勝ち取ると言う、ダンテの「神曲　地獄篇」の現代版のような物語だった第一章に対し、スホンの裁判に加え、３人の使者たちの過去の人生を描き、記憶を無くして使者となった謎解きを重ねたものとなっています。
　まるで「ジュラシック・ワールド」さながらの大迫力でリアルな恐竜を登場させたり、使者の過去を力の入った描写で見せるなど、その内容とサービス精神は前作以上です。
　そうして、冥界と下界、ふたつの物語を並行で走らせる事になっているのですが、一作目で広げた物語を畳んで行く展開となる事から、世界の広がりも感じられない一方で、地獄巡りも２巡目となって新鮮味が失われており、引き込まれるような面白さが失われたのは残念な所。また、人気俳優、マ・ドンソクをソンジュ神役で起用したのに、その怪力無双のアクションは登場時のみ、あとはコメディ担当と言うのも勿体なく思えました。
　（韓国でも、大ヒットとなった第一章に対し、この第二章は大きく観客動員数を落としてしまったのだとか）

　確かに、３人の使者の出自を描く歴史劇は力の入ったもので、さすがに見応えがあり、また、構成としても裁判によって善悪を問う、と言う駆け引きの面白さと、母子の情愛を描いた第一章に対し、贖罪と許しを描き、父子のドラマとした第二章と言う、シリーズ構成的にもよく出来ています。また、シリーズの謎や、張ってあった伏線がぴたりと収まるのも心地よいです。最後も綺麗にまとまっていて、見事に締められてはいるのですが……やはり、続編と言うのは難しい、と言う所でしょうか。

ＰＳ
　冥界の判官役で出演していたオ・ダルスが、第二章で姿を見せないのを訝っていたら、何とセクハラ疑惑で降板とは……それにしても、判官が、冥界の裁判でで有罪となるような事やっちゃいかんでしょう……。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督・脚本

キム・ヨンファ

　■出演

カンニム　　　・・・　ハ・ジョンウ
ヘウォンメク　・・・　チュ・ジフン
ドクチュン　　 ・・・　キム・ヒャンギ

キム・スホン　・・・　キム・ドンウク　

ソンジュ神　・・・　マ・ドンソク

（その他のキャスト）
　イ・ジョンジェ　　Ｄ．Ｏ．

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いま、地獄の門が開かれる――

　■Ｌｉｎｋ

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