ハッピー・デス・デイ

　これは、「ゲット・アウト」のジェイソン・ブラムが製作を務めたタイムループホラー。
　監督は「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのクリストファー・ランドン。

　女子大生ツリーは誕生日の朝、名前も知らない男子学生のベッドで目を覚ます。その日の夜、パーティー会場に向かうツリーは仮面を被った怪人に襲われ、胸を刺される。殺される――と思ったツリーだが、気がつくと、再び誕生日の朝、同じ男の部屋にいた。
　そして、昨日の同じ１日が繰り返され、夜、再びマスクの怪人に襲われて殺されてしまい、気づくと同じ男の部屋で目覚めて……
　
　ホラー映画は苦手なのですが、この映画は楽しく観られました。
　まず、何と言ってもキャラクター設定が秀逸。ヒロインのツリー、美人だけど尻軽で、しかも、周囲の人々を気遣いもしない、典型的なビッチキャラで、通常、ホラー映画では真っ先に殺されるタイプ。実際、この映画でも殺されてしまうのですが、面白いのは、正にそこから物語が始まること。
　何で、そんなタイムループに陥っているのか。その為には、まず怪人の正体を暴き、明日まで生き延びなければならない……と言う、サバイバルホラー、そして謎解きのミステリー要素を見せ、更に、同じ１日を繰り返し、自分と向き合い続ける中で、ツリーがなんでそんな人間になってしまったのか、と言う描写に踏み込んで行きます。そして、ツリーが露悪的に振る舞う理由が判り、父親と和解する展開にはホロリとさせられますし、名前も知らなかった男――カーターの誠実さに、ツリーが何時しか恋をし、自然にロマンスとなっていくのもいい。
　しかも、最後にはもう一捻りして、最後の最後まで気を緩めさせない展開にはやられました。

　ツリーを演じたジェシカ・ロースは、冒頭、派手目のメイクで、如何にもホラー映画の端役のビッチ風ですが、これが徐々に変わって行くのもよく。終盤には綺麗で気丈な、立派なヒロインとなっています。それにしても、１本の映画でこれだけ殺される役と言うのもお疲れ様、と言う感じです。

ＰＳ
　更に、エンドロール後には続編「Ｕ２」の予告編が……これまた楽しみです。

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

クリストファー・ランドン

　■出演

ツリー・ゲルブマン　・・・　ジェシカ・ロース

カーター・デイビス　・・・　イズラエル・ブルサード

ダニエル・ボーズマン　・・・　レイチェル・マシューズ

ロリ・シュペングラー　・・・　ルビー・モディーン

（その他のキャスト）
　ファイ・ヴ　　ジェイソン・ベイル

　■コピー

死んで、死んで、脱出せよ　

　■Ｌｉｎｋ

https://www.universalpictures.jp/micro/happydeathday

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