Ｓｅｖｅｎ　
　ｇｉｒｌｓ
セブンガールズ

　これは、デビッド・宮原が１９９８年に旗揚げし、昨年２０周年を迎えた劇団前方公演墳が２００４年に上演し、以降４度にわたり再演された劇団の代表作である同題舞台劇を、クラウドファンディングで資金を集めてオリジナルキャストで映画化したもの。
　監督は、舞台劇の原作＆演出を手掛けたデビッド・宮原。

　終戦直後、アメリカ軍の支配下にあった東京。瓦礫となった街で生きるためにアメリカ兵相手に体を売る女性たちがいた。家族や夫の命を奪ったアメリカ軍人を相手にする行為を人びとは蔑み、彼女たちはパンパンガールと呼ばれていた。
　そんな、１軒のパンパン宿で助け合いながら生きる８人のパンパンガールたち。どんなに辛くても、どんなに落ち込んだ日も、いつかやってくる明日を信じて、手を取り合い、懸命に生きようとした彼女たちの歌“セブンガールズ”が、今日も瓦礫の街に響き渡る……。

　これは確かに面白い。ギャグも散りばめられ、笑える部分も多いのだけど、そんな中から、１０人の女たちの人生が浮かび上がり、それぞれの感動のドラマを紡いで行く……劇場に足を運んだのは劇団の熱心なファンも多く、終映後には拍手がわき上がった程です。
　残念だったのは、あまりに低予算故か、実写とは言え、舞台となるのはオープンセットひとつと屋内セットひとつ。しかも、オープンセットは場所が悪く、どう見ても昭和２１年の有楽町には見えないのです。
　また、パンパンガールを演じる女優……オリジナルキャストと言う事は、１５年に渡ってこの芝居を演じているベテランで、舞台劇ならともかくとして、クローズアップありの映画作品としては、ちょっと辛いなぁ、と思ってしまいました。
　確かに、劇団のファンに向け、２０周年記念作として代表作を映画にする、と言う思いは理解出来ますし、「自分たちの作品なのだから他の誰にも演らせない」と言う想いも判るのですが、これではファンが広がらないのではないか、と。
　物語には力があるだけに、映画版は役年齢に近い若い女優か、あるいはアイドルグループを起用するなどしたら、より多くの人に楽しんで観て貰えるのではないか、と思ってしまいました。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督・脚本

デビッド・宮原

　■出演

真知　・・・　坂崎愛

（その他のキャスト）
　堀川果奈　　安達花穂　　河原幸子　　藤井直子　　斉藤和希　　樋口真衣　　広田あきほ　　斉藤みかん
　上田奈々　　小野寺隆一　　中野圭　　安藤聖　　織田稚成　　津田恭佑　　西本涼太郎　　新地秀毅
　仲田敬治　　勝俣美秋　　高橋２号　　金子透　　有賀さやか　　佐野みかげ　　蟹沢れい子　　神山真琴
　小堀英恵　　Ｓｈａｍ　Ｔｅａｒ　　成田プリン　　浅野七海　　西本早輝

　■コピー

ここで生きるのか、のたれ死ぬのか
自分で決めな。

　■Ｌｉｎｋ

http://sevengirls.info/

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