名探偵
ＰｉＫＡＣＨＵ
ピカチュウ

　これは、人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズをハリウッドで実写化したもの。
　監督は「ガリバー旅行記」のロブ・レターマン。

　保険会社で働くティムの元に、ある日、警察から父のハリーが死亡した、との連絡が入る。
　父が暮らしていたのは、人間とポケモンが共存する街、ライムタウン。父は、そこで探偵業を営んでいた。
　遺品整理のため、父の事務所兼住居に向かったティムは、そこで父のパートナーポケモン、ピカチュウに出会って……

　これは、サトシとピカチュウのコンビが仲間たちと冒険を繰り広げるアニメの物語から離れ、ゲーム「名探偵ピカチュウ」を元にしているそうです――もっとも、私自身、「ポケットモンスター」シリーズについては、ゲームにしてもアニメにしても語れる程の知識もないのですが。
　予告編の段階から話題になっていた、ピカチュウが喋る、しかも、おじさんの声で、と言うのにはさすがに違和感がありますが、これにもちゃんと理由があり、最後には納得すると共に感動させられてしまう、と言う……
　また、ハリウッド映画としてはむしろ低予算の部類になると思われるものの、ポケモンの造形、実写との合成に違和感なく仕上がっているのもさすがですし、ピカチュウの造形と存在感、その愛らしさは文句なし。キャストも名優、ビル・ナイを起用するなどなかなか豪華で、決してＢ級とは思えないものになっています。

　ただ、物語はいささかお粗末。判り易さを狙ったのでしょうか、過去の事象をホログラムで再生して見せてしまうのも安易で。「名探偵」と銘打ちながら、推理を殆どすることなく、真相に辿り着いてしまう展開は物足りないし、ミュウツーの使い方は余りに勿体ない。
　子供から大人まで幅広い観客を狙ったのかも知れませんが、現在の出来では、子供向けとしては筋運びがややこしく、大人に見せるには謎解きの面白さや、物語の深みに欠け、どっちつかずの印象を受けました。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督・脚本

ロブ・レターマン

　■出演

ティム・グッドマン　・・・　ジャスティス・スミス
　
ピカチュウ（声）　　・・・　ライアン・レイノルズ

（その他のキャスト）
　キャスリン・ニュートン　　渡辺謙　　ビル・ナイ　　リタ・オラ　　スキ・ウォーターハウス

　■コピー

　■Ｌｉｎｋ

https://meitantei-pikachu.jp/

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