これは、河村ほむら・尚村透による同題の人気コミックをＴＶドラマに続き実写映画化したもの。
　監督は、「あさひなぐ」の英勉。出演は、「君の膵臓をたべたい」の浜辺美波、「みんな！エスパーだよ！」の池田エライザなど。

　創立１２２年の名門校・私立百花王学園。この学園において、生徒たちに求められているのは、駆け引きの巧みさや人を動かす術、そして勝負強さ、運といったギャンブルの強さ。それにより生徒の階級が決められていた。
　そんな学園に、蛇喰夢子が転校してくる。夢子は常軌を逸したギャンブル狂であり、そして、希代のギャンブルの天才であった……

　この作品、原作コミック・アニメ・ドラマ共未見でしたが、映画は冒頭から学園の報道部・新渡戸の口を借りて、背景やこれまでの経緯を説明する、と言う親切設定で、問題なく話について行く事が出来ました。

　映画は、原作のストーリーラインを離れ、学園内の異端集団“ヴィレッジ”を排除する為の生徒会が仕掛けたギャンブル勝負を描くもの。
　シンプルな物語ではあるものの、勝負、と言うか、ゲームの駆け引きの面白さを描いていて、なかなか見応えがありました。
　また、人工的な強い照明を使い、登場人物がまるでアニメに描かれたような感じになるのも面白い効果だし、実際、アニメの登場人物と思える程に現実味のない存在感を見せる、浜辺美波の美貌に加えその怪演もあって、全く飽きさせないものになっているのは大したもの。

　ただ、そんなアニメ的なハイテンションかつ演出過剰な演技を、ちゃんと芸として見せられるのが、浜辺美波と、福原遥、それに森川葵と矢本悠馬と言う絶妙のコンビくらいで、役者の力量が見えてしまうのが厳しい所……
　また、夢子のバディとなる涼太役の高杉真宙は、役柄でもあるのでしょうけど、空騒ぎっぷりが煩いだけで、ちょっと気の毒な感じでした。
　あと、クライマックスのギャンブル決戦の背景となるヴィレッジ掃討戦の扱いは中途半端だし、ストーリー的に辻褄もあっていないなど、脚本の粗も目立ちます。

　また、ラスボスである生徒会長と夢子の対決もなく――まぁ、これは映画が本編から外れた外伝的なものになるからではあるのですけど――あとはＴＶドラマを観てね、と言う展開にはいささか食い足りない印象を覚えました。

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

英勉

　■出演

蛇喰夢子　・・・　浜辺美波

鈴井涼太　・・・　高杉真宙

木渡潤　・・・　矢本悠馬

早乙女芽亜里　・・・　森川葵

歩火樹絵里　・・・　福原遥

桃喰綺羅莉　・・・　池田エライザ

（その他のキャスト）
　宮沢氷魚　　伊藤万理華　　松田るか　　岡本夏美　　柳美稀　　松村沙友理　　小野寺晃良
　中村ゆりか　　三戸なつめ

　■コピー

全校生徒、強制参加。
　生き残るのは、誰だ？

　■Ｌｉｎｋ

https://kakegurui.jp/

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