アクアマン

　これは、ＤＣコミックスのヒーローのひとり、海底人類アクアマンの活躍を描くアクション。
　監督は、「ワイルド・スピード　ＳＫＹ　ＭＩＳＳＩＯＮ」のジェームズ・ワン。

　灯台守のトムは、海岸で倒れている女性を見つけ介抱する。彼女は、かつて海に沈んだ伝説の国の末裔である海底人の国、アトランティス帝国の女王アトランナだと名乗る。
　たちまち恋に落ちた二人の間には、男の子が誕生、アーサーと名付けられた。アトランティスの王家の血を引くアーサーには海中の生き物を従える力があった。
　やがて、成人したアーサーの前に現われた海底人の美女メラが、アーサーの異父弟で、アトランティスの王となったオームが地上への侵攻を企んでいる事を伝えるが……

　このアクアマン、既にＤＣエクステンデッド・ユニバース「ジャスティス・リーグ」にも登場しています。この辺り、ヒーローの生い立ちを描いてキャラを立たせ、その上で各ヒーロー集結のクロスオーバー作品へと繋げるマーベルに及ばない、展開の不手際を感じてしまう部分です。

　さて、アクアマンと言えば、豪放磊落なアトランティスの王子様で、ＭＣＵで言えば、ソーに相当するキャラクター。
　物語はお馴染みの流浪の王子の王国への帰還、と言うもので、その後、やることは王権争いの兄弟喧嘩……キャラクターだけでなく、物語も被っています。
　しかも、アクアマンの名はアーサー。なので、物語にはアーサー王伝説を重ね合わせ――だから、アーサーは聖剣エクスカリバーの代わりに、海王の証、三叉鉾（トライデント）を引き抜いて、己が王である事を証すのだ、と……
　そんな寄せ集めの、何処か既視感のある物語ですが、そんな安定感のある土台だから出来る盛り沢山の内容……華やかなアトランラィスの都市、「レイダーズ」紛いの地下遺跡探検に。深海の怪物が襲いかかるホラーアクションと、全く退屈させられる事がありません。しかも、登場人物が何れもうじうじしていたこれまでのＤＣコミックと異なり、あっけらかんとしたキャラクターに、華やかな映像で、見た目も明るく楽しい冒険活劇となってます。
　（何だかこちらの方がディズニー的のような……）
　もっとも、ジェームズ・ワンらしく物語は穴だらけだけど、まずは楽しい１本です。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

ジェームズ・ワン

　■出演

アーサー・カリー／アクアマン　・・・　ジェイソン・モモア

メラ　・・・　アンバー・ハード

オーム　・・・　パトリック・ウィルソン

アトランナ　・・・　ニコール・キッドマン

（その他のキャスト）
　ウィレム・デフォー　　ドルフ・ラングレン

　■コピー

海中で、暴れろ。

　■Ｌｉｎｋ

http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

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