これは、Ｊ・Ｋ・ローリングによる「ハリー・ポッター」の派生シリーズで、１９２０年代の欧米を舞台に魔法動物学者のニュート・スキャマンダーが活躍する５部作の第２作目。
　
　アメリカ魔法省に捕らえられていた“黒い魔法使い”グリンデルバルドが逃亡。
　ロンドンに戻っていた魔法動物学者ニュートは、ニューヨークで騒動を起こして以来、魔法省から海外渡航禁止を命じられていたが、恩師ダンブルドアから、グリンデルバルドとクリーデンス捜索を依頼されてはさすがに断れない。
　折しも、ティナの妹のクイニーがジェイコブと共にニュートの元を訪れ、ティナがクリーデンスを追っている事を聞く。その後、ジェイコブと仲違いをしたクイニーはパリのティナの元へ行ってしまい、ニュートはジェイコブと共に密かにパリへと向かうのだが……

　このシリーズ、第１作は様々な魔法動物、そして、ホグワーツを飛び出し、街の中で一般人と繰り広げるドラマに面白味がありました。
　２作目となる本作は、“黒い魔法使い”グリンデルバルドにジョニー・デップ、若き日のダンブルドアにジュード・ロウを起用するなどキャストも豪華になり、物語もスケールアップ――しかし、明らかになって来たのは、またしても悪の魔法使いと、ホグワーツの善の魔法使いの対決と言う、既視感のある構図。
　物語も妙に込み入っていて判り辛く、魔法使い同士の戦いも、杖から光線のようなものを発して撃ち合う、と言う芸のないもので、これではシリーズを失速させた、「ハリー・ポッター」シリーズ後半の展開と変わりません。
　魔法動物は登場種類も、活躍シーンも少なく、これでは「ハリー・ポッター」の焼き直しに過ぎないのでは、と言う印象を受けました。
　物語は、Ｊ・Ｋ・ローリング自身によるもので、映画脚本も本人が手掛けていてこの有様とは……Ｊ・Ｋ・ローリングは、「ハリー・ポッター」シリーズでやりたかった事を全て吐き出してしまったのでないか、と思う程で、いささかがっかりする仕上がりでした。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

デヴィッド・イェーツ

　■出演

ニュート　・・・　エディ・レッドメイン

ティナ　・・・　キャサリン・ウォーターストン

ジェイコブ　・・・　ダン・フォグラー
クイニー　・・・　アリソン・スドル

ダンブルドア　・・・　ジュード・ロウ

グリンデルバルド　・・・　ジョニー・デップ

（その他のキャスト）
　エズラ・ミラー　　ゾーイ・クラヴィッツ　　カラム・ターナー　　クローディア・キム　　ウィリアム・ナディラム　　ケヴィン・ガスリー　　デレク・リデル
　アーノルド・グズマン　　イングヴァール・エッガート・シーグルソン　　カルメン・イジョゴ　　ウルフ・ロス　　ポピー・コービー=チューチ
　ダニエル・ユーグ　　ジェシカ・ウィリアムズ　　イソーラ・バルベ=ブラウン　　ヒュー・クオーシー　　キース・シャンター　　オラフル・ダッリ・オラフソン
　アンドリュー・ターナー　　マジャ・ブルーム　　サイモン・ミーコック　　デヴィッド・サクライ　　クラウディウス・ピータース　　ヴィクトリア・イェイツ
　アルフィー・シモンズ　　デヴィッド・ウィルモット　　オルウェン・フエレ　　フィオナ・グラスコット　　ブロンティス・ホドロフスキー　　トビー・レグボ
　ジェイミー・キャンベル・バウアー

　■コピー

史上最強の敵に、試される仲間の絆――

　■Ｌｉｎｋ

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