ＲＥＶＥＶＧＥ
リベンジ

　これは、フランスの新鋭女性監督コラリー・ファルジャによるバイオレンスアクション。

　ジェニファーは、不倫関係にあるリッチなセレブのリチャードの砂漠の中にある豪華な別荘で休日を過ごしていた。
　だが、そこにリチャードの狩猟仲間が現れ、リチャードの不在中にジェニファーをレイプしてしまう。激怒するジェニファーの様子を見て、不倫が発覚する事を恐れたリチャードは彼女を崖から突き落とし、闇に葬ろうとする。
　崖下の立木に串刺しとなったジェニファーだったが、何とか一命を取り留めて……

　この映画、展開としては無茶苦茶と言うか、荒唐無稽と言っていいほど。
　ヒロインのジェニファーは崖から転落、立木に腹を貫かれるのですが、その傷を炎で焼き固めて復活する、と言う驚きの展開……いくら幻覚剤の助けを借りたとは言え、これはもう医学的にあり得ない、としか言えないもの。　しかも、そこからジェニファーは彼女を獲物に“人間狩り”を行う男たち相手に逆襲するのですから……
　その後、男たちをひとりずつ斃して行く中で、人体破壊の様子をこれでもかと見せ、クライマックスの流血は園子温の「地獄でなぜ悪い」並の大サービス……まぁ、ここまで来るとこれはこれで楽しめたりもするんですが。
　これを女性監督が作った、と言う事に驚きますが、逆に女性だからこそ、女性が男性から受ける、理不尽な扱いや、性暴力の描写にはリアリティがありますし、その報復として男共をかたっぱしからやっつける描写に痛快さが生まれる、と言う部分はあるのではないか、と思います。

　ジェニファーを演じたマチルダ・ルッツは美しく、冒頭では男を魅了するセクシーさを存分に見せつけてくれます。後半も砂漠の日差しの中、肌も露わに頑張っているのですが、血まみれ＆埃まみれでセクシーさは後退してしまいます。もっとも、そこで野獣のような、タフでしなやかで美しい女性像を描く辺りが、女性監督ならでは、か。

　それにしても、フランス映画で、女性監督で、さぞかしお洒落な映画だろうと思っていたらこんなのを観せられて、びっくりする人もいるのではないでしょうか。　
　

　（２０１８年　１０月３０日　シネマジャック＆ベティにて）

（作品データ）

　■監督・脚本

コラリー・ファルジャ

　■出演

ジェニファー　・・・　マチルダ・ルッツ

（その他のキャスト）
　ケヴィン・ヤンセンス　　ヴァンサン・コロンブ　　ギヨーム・ブシェド

　■コピー

美しく、残酷に、
ぶっ殺す。

　■Ｌｉｎｋ

http://revenge-movie.net/

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