殺る女
ＹＡＲＵＯＮＮＡ

　これは、韓国の女性アイドルグループＫＡＲＡの元メンバーだった知英を主演に、国際色豊かなキャストが顔を揃えたバイオレンスアクション。

　殺し屋の愛子は、幼い頃、両親を殺害した“腕にサソリのタトゥーを持つ男”を探し続けている。
　一方、孤児院育ちで元暴力団員の加賀俊介は、家族と平穏に暮らしていたが、孤児院時代の仲間に嵌められ、再び暴力の世界に足を踏み入れる事になる。そんな俊介の腕にはサソリのタトゥーがあった……

　この映画、武田梨奈が久々にアクション映画に出演する、と言う事で期待をしていたのですが……これがもう酷い出来。
　特に酷いのは物語、そして状況設定。監督・脚本の宮野ケイジは、これまで多くの映像作品を手掛けた、と言うのですが、物語を見る限り、社会と常識を知らないようにしか思えません。
　確かに、映画は非日常の出来事を描くものですが、マンガやアクション映画のカッコいい所を繋げば映画が出来る、と言う訳ではありません。日常の描写をリアルに積み重ね、その上に重ねるから非日常が引き立つのですが……この映画、描かれている内容にリアリティがあるのか、と問いたいですし、登場人物が全員頓珍漢でやる事が常識外れ、もう、何を考えてこうなっているのか疑問ばかりが重なります。

　確かに、知英は綺麗に、カッコよく撮れてる。でも、それだけ。
　そして、武田梨奈を起用して、見せ場は濡れ場だけ。アクションシーンでは銃の引き金に指をかけるだけ、と言う使い方では、勿体ないにも程がある、と言うもの。
　日本映画ならではの低予算の制約、それは理解しますが、であれば尚の事、身の丈にあった、地に足のついた映画作りをして欲しいです。

　余りこんな事は言いたくないのですが、久々に時間を無駄にした、と言う苦い思いの残る１本でした。
　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督・脚本

宮野ケイジ

　■出演

愛子　・・・　知英

加賀由乃　・・・　武田梨奈

加賀俊介　・・・　駿河太郎

（その他のキャスト）
　篠原篤　　藤田りんか　　ニコラス・ペタス　　中尾隆聖　　黒田アーサー　　サヘル・ローズ　　和希沙也　　松本大志
　日向丈　　水石亜飛夢　　江口祐貴　　伊崎右典　　清水一哉　　玉代勢圭司　　山優香　　シャリース

　■コピー

　■Ｌｉｎｋ

http://yaruonna.com/

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