ＭＥＧ　ザ・モンスター

　これは、ジェイソン・ステイサム主演、太古に滅びた筈の超巨大ザメ“メガロドン”の恐怖を描く海洋パニック。

　太平洋に浮かぶ海洋研究施設の深海探査船が、水深１万ｍの極深海を調査中、高速移動する巨大な謎の物体と接触、３人のクルーを乗せたまま通信が途絶えてしまう。
　深海からの救難活動のエキスパートは数少ない。
　研究所は、５年前のある事故以来、隠遁生活を送っていたレスキューダイバーのジョナスに救助を要請。それを断ろうとするジョナスだったが、探査船の船長が別れた妻だと知って研究所に向かうのだが……

　この映画も、最近多い中国との合作。登場人物多くが中国人ですし、舞台も太平洋とは言え、中国沿岸に近い南シナ海となっています。
　物語の方は、科学的考証など微塵もない、荒唐無稽なもの。脊椎動物の生存限界を超えた１万ｍの海溝底の更に下に豊かな生物相のいる世界が広がる、と言うのが既に理解不能です。
　しかも、その調査に入った探査船の爆破により、メガロドンが表層に出て来た、と言う設定なのだとしたら、冒頭の原潜事故で、襲撃して来た巨大生物が何か、と言う説明がつきません。
　また、終盤、海水浴場にメガロドンが現われるシーン、海水浴ってのは、足下に２０ｍ超のバケモノが泳ぎ回るような水深の所ではやらないでしょう？……海水浴の概念すら理解していないのでは、と呆れるような描写です。

　あと、研究者が集う海洋研究施設で、一番頭が切れるのが飲んだくれのステイサムで、一番の情報通がヒロインの娘の８歳児、と言う……全員が物分かりが悪く、情報も持たず、段取りも出来ず、小学生のサッカー同様、全員が現場に集まっちゃうと言う展開にも苛々させられます。
　ほんと、サメ退治の映画なのに、サメの方が頭よいのでは？と疑問を抱かされるような描写です。

　ステイサムは、正に水を得た魚。綺麗なフォームの飛び込みに、泳ぐシーンも様になり、確かにハマり役ではあるのですが、それにしても、客はステイサムと巨大サメの戦いを見たくて来ている訳で、別れた妻を助けに駆けつけたステイサムが、元妻がいる場所で、子連れバツイチのヒロインといちゃつくラブコメを見に来ている訳ではないと思うのですが……　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

ジョン・タートルトープ

　■出演

ジョナス・タイラー　・・・　ジェイソン・ステイサム

（その他のキャスト）
　リー・ビンビン　　レイン・ウィルソン　　ルビー・ローズ　　ウィンストン・チャオ　　ペイジ・ケネディ　　ジェシカ・マクナミー
　オラフル・ダッリ・オラフソン　　ロバート・テイラー　　クリフ・カーティス　　ソフィア・シューヤー・ツァイ　　マシ・オカ

　■コピー

悲鳴ごと、飲み込まれる。

　■Ｌｉｎｋ

https://warnerbros.co.jp/movie/megthemonster/

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